ドコモが「MONO」や「カードケータイ」のプロトタイプを公開 携帯電話のデザインとは何かを聞いた(2/2 ページ)
NTTドコモが、東京ミッドタウンのデザインイベント「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2019」にて展示会「ドコモとデザイン」を開催。これまで公開したことがない携帯電話のプロトタイプやスケッチなどを公開している。期間は10月18日から10月27日まで。
未発表の製品も多数展示 MONOやカードケータイのプロトタイプも公開
イベントでは、これまで披露もしくは発売されなかった製品も展示されているので、写真とともに紹介する。
「明日のためのデザイン」というテーブルには、2〜3のディスプレイを搭載する端末が展示されていた。テーブルに置かれていたのは、過去にドコモとZTEが共同開発した2画面スマートフォン「M Z-01K」に似ていた。
宮沢氏は「世の中の人々が携帯電話を、いずれどのように使うのかを」予見していくことも大事だと主張し、「技術の進化とともに、あるべき未来の姿をデザイナーも描き続けている」と述べた。
別のテーブルには、キッズケータイやモバイルWi-Fiルーターのプロトタイプが展示されていた。
そして、2018年度グッドデザイン賞を受賞した「カードケータイ KY-01L」も展示されていた。カードケータイは、極限までいらない機能やボタンなどを削ぎ落とした結果、電話やWebサイトの閲覧機能などを厚さ5.3mm、重さ47gの超小型軽量ボディーに収められた。
宮沢氏は「携帯電話のデザインは色や形だけでなく、質感にこだわると同時に、足し算や引き算をすることもデザインの要素」だと話す。つまり、その機能1つ1つが消費者にとって本当に重要なのかを見極める必要があるのだ。
最後に「MONO」の展示内容を少しだけ紹介する。MONOのコンセプトは「ドコモが考えるスタンダードのあるべき姿」を体現した携帯電話だ。宮沢氏は「普段持ち歩く上で、生活になじむ形や色を徹底して追求した」と述べ、老若男女を問わず持てるように「白いシャツ」をイメージしたとも話した。
MONOを見ると、ほとんどの製品では削ぎ落とされる角をあえて残している。これについては、ある程度の角Rは残し、最適なサイズに落とし込むことで、積み木のような形状でも持ちやすいと感じられるそうだ。
イベント会場では、この他にも、その製品に至るまでの過程が事細かく記されているので、実際に現地で見て感じ取ってほしい。
宮沢氏にとって、プロダクトデザインとは?
「お客さまが何を望んでいるのか、これが大事。製品を手にした方々が、それをどう使うのか、想像しながらデザインする」――。ITmediaの取材に対し、宮沢氏はこう語った。これが携帯電話をデザインする上で最も重要だという。
さまざまな形や色に加え、多機能化してきた携帯電話。一方で、ここ最近ではカードケータイやMONOなどを筆頭に、必要な機能だけを搭載し、色や形をシンプルにした携帯電話も発売された。これも、使う人の立場を考え、試行錯誤した結果なのだろう。
宮沢氏は、ファッションや食など、意外なところからインスピレーションを受けることも多々あるとも語った。同氏は「いろいろな物を見て食べて、体で感じ取る」と述べ、そうした経験もプロダクトデザインをする上で重要なことだと付け加えた。
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