ショップでの“不適切なメモ”でドコモが謝罪 不要なオプション提案も問題視
NTTドコモが、SNSや一部報道で伝えられていた、ドコモショップでのユーザーに対する「不適切な対応」について謝罪した。来店者を侮辱する言葉を記したメモを誤って渡してしまった。来店者のニーズを度外視してオプション提案を指示することも書かれてあった。
NTTドコモは1月10日、SNSや一部報道で伝えられていた、ドコモショップでのユーザーに対する「不適切な対応」について謝罪した。
今回の不祥事は、ドコモの代理店である兼松コミュニケーションズが運営するドコモショップ市川インター店で1月6日に起きた。ショップスタッフ間の連絡用メモを、誤って来店者に渡してしまい、そのメモには「親代表の一括請求の子番号です。つまりクソ野郎」と書かれてあった。また「いちおしパック」を提案するよう指示があり、その理由として「親が支払いしているから、お金に無頓着だと思うから話す価値はあるかと」と書かれてあった。
ドコモはSNSの投稿や報道について「事実です」と認めた上で、「このたび報道にあるようなお客さまを侮辱した不適切な応対が発生し、お客さまにご不快な思いをさせてしまったことは、誠に申し訳なく、深くおわび申し上げます。ドコモとして、今回の事態を重く受け止め、徹底した原因究明を行い、再発防止に向け早急に対策を実施してまいります」とコメントした。
なお、メモは店長が書いたとする報道もあるが、事実ではなく、「フロアを統括する責任者が書いた」(ドコモ)ものだったという。担当者の処分について「現状は具体的なことは決まっていない」とのこと。兼松コミュニケーションズに対しては「研修等をしっかり行った上で教育をしてもらうことをお願いした」という。
【更新:2020年1月14日13時4分 メモの書き主に関する記述を、一部具体的な内容に修正しました】
兼松コミュニケーションズは「今回の事態により、お客さまのお心を傷つけ、多大なるご迷惑をおかけしましたことを衷心より深くおわび申し上げます。また、今回の事態により関係者の皆さまにご不快の念をおかけしましたことを深くおわび申し上げます」と謝罪。
現状と今後について「現在、事実関係の確認を行うとともに、このような事態が生じた原因について調査を行っており、調査結果に基づき、厳正な対処を行う所存です。弊社では、定期的に全ての従業員に対して研修を行う等により、お客さま対応の向上に努めてまいりましたが、今回の事態は、お客さま応対にあたって決してあってはならないことであり、弊社として厳粛に受け止め、今後このような事態が二度と発生しないよう、信頼回復に全力を挙げて取り組んでまいります」とコメントしている。
相手を侮辱する「クソ野郎」と書いたメモを来店者に渡してしまったことは「あり得ないこと」(ドコモ)だが、同社は「お金に無頓着だと思うからオプションを勧める」という提案も問題視しており、「お客さまのニーズをヒアリングした上で提案することが正しい。しっかりと再発防止に努めたい」と話す。
今回の件を受けてドコモは、兼松コミュニケーションズ以外の代理店を含む全店舗に対して、「適正な販売とコンプライアンス意識の向上を徹底させるよう、要請していく」と話す。
兼松コミュニケーションズは、ドコモショップに加え、auショップ、ソフトバンクショップ、ワイモバイルショップを全国で約420店鋪運営しており、今回の不祥事は他キャリアのショップでも起こる可能性はあった。不必要なオプション契約や、高額なmicroSDを買わされたといった話もよく聞くだけに、今回の件が「ショップのあるべき姿」を見直すきっかけになるかもしれない。
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