春商戦と楽天対抗 KDDIが「auデータMAXプランPro」の値下げに踏み切った理由:石野純也のMobile Eye(2/2 ページ)
KDDIが、「auデータMAXプランPro」を、2月1日から1500円値下げする。ドコモとソフトバンクの大容量プラン、また春に本格参入を控えた楽天モバイルに対抗するという狙いがみてとれる。一方で、バンドルプランである「auデータMAXプラン Netflixパック」より安くなるという逆転現象が起きた点は気になる。
Netflixパックも料金や容量の改定があるか? 高まるバンドルプランの意義
ただ、auデータMAXプランProの値下げによって、相対的にNetflixパックの魅力が下がってしまったのは残念だ。現状ではauデータMAXプラン Netflixパックの料金は据え置かれたまま。冒頭で挙げた通り、auデータMAXプランProが値下げされたことで、結果として両プランの金額が逆転してしまった。NetflixパックはNetflixのベーシックプランがセットになっている一方で、テザリングや世界データ定額のデータ容量が2GBまでと、auデータMAXプランProより制限が厳しい。
auデータMAXプランProの値下げでNetflixパックの方が400円高くなってしまった。逆に、auデータMAXプランとNetflixのベーシックプランを個別に契約すると、Netflixパックより400円高くなるが、テザリングや世界データ定額を利用した際のデータ容量は2GBから30GBへと一気に上がる。Netflixパックの料金は、テザリングなどの大容量通信に制約をかけることで実現したと語っていただけに、少なくとも、容量制限は緩和をしてほしいところだ。
とはいえ、Netflixパックのようないわゆるバンドルプランは、キャリアにとって、他社との差別化になる上に、解約率を押し下げる効果がある。2年契約の契約解除料が省令で1000円までに規制され、2年契約がない料金プランとの差額も170円が上限になった今、ライフタイムバリューの最大化を戦略に掲げるKDDIにとって重要度の高い料金プランだ。そのため、手の内を一気に明かすのではなく、第2、第3の矢として、Netflixパックの値下げや容量制限緩和などを考えているのかもしれない。
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