テレワークや新生活に 固定ネット回線代わりに使えるモバイル通信サービス:5分で知るモバイルデータ通信活用術(1/2 ページ)
最近、テレワークに注目が集まっています。その中で、自宅のネット回線を検討する人も増えていると思います。固定回線代わりにモバイル通信サービスを使うのは、どうなのでしょうか?
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、満員電車を避けて時差出勤をしたり、出勤そのものを不要とする「テレワーク」などを導入するなどの動きが相次いでいます。
しかし、快適なテレワークをするには、ある程度高速な通信回線が必要です。そこで今回は、テレワークをする上で便利な通信回線について、その長短を交えながら紹介します。転職・転勤や入学・進級など、春の新生活に合わせて高速な通信回線を導入しようと考えている人も参考にしてください。
(料金は全て税別、通信速度は全て理論値)
理想は「固定回線」 しかし……
テレワークを含め、自宅を拠点として日々の業務を行うには、光ファイバーやCATV(ケーブルテレビなど、いわゆる「固定回線」のインターネットを使うことが理想的です。Wi-Fi(無線LAN)ルーターをつなげれば、スマートフォンやタブレットでも使えます。
固定回線の大きなメリットは、高速かつ安定した通信を実現しやすいこと。特に、上り通信はモバイル通信よりも高速な傾向にあるため、高品質なビデオ会議や、大きめのファイルを頻繁にやりとりする場合は特に有利です。
しかし、固定回線にはデメリットもあります。自宅にあまりいることがない人にとっては、月額料金が「割高」になるかもしれません。また、引っ越しをする際に、今までの固定インターネットサービスを継続して契約できるかどうかも分かりません。
さらに、これからの時期において特に顕著なデメリットとしては、申し込んでから利用可能になるまでに、どれだけ早くても数週間、場合によっては1カ月程度かかってしまうことです。新生活に合わせて、固定回線の新設や移転を申し込む人が増えるがゆえに、工事に時間を要してしまうのです。
ここで、筆者の連載を担当する編集者の、固定回線にまつわるエピソードを紹介します。
2019年3月に引っ越しをしました。以前から使っている「ドコモ光」を引っ越し先でも使う「転居手続き」をしたのですが、転居先でトラブルが発生しました……。
引っ越し前は、集合住宅向けの「マンションタイプ」の光配線(光ファイバーを自室に引き込むサービス)を使っていました。ひかり電話(ドコモ光電話)の電話番号を変えたくなかったのと、月々の出費を大幅変えたくなかったこともあり、マンションタイプの光配線に対応した物件を近所で探して、ちょうど良い所が見つかったので契約して引っ越しました。
ところが、工事当日になって、自室に光回線を引き込めないことが判明しました……。建物にスプリッター(光回線を各部屋に分配する装置)は設置されているものの、建物の電話回線の引き回し方の都合で、自室を含む同一フロアの全号室に光回線を引き込めないというのです……。「共有部分で追加工事をすれば引き込める」ということなのですが、建物のオーナーか管理者からの依頼が必要だそうです。
本来、構造の都合で引き込めない部屋(あるいはフロア)がある場合、回線提供元であるNTT東日本のデータベースに登録され、それが申し込み可否の判定ページにも反映される……はずなのですが、引っ越し先の部屋は、何らかの手違いでデータベースに反映されていなかったようです。
プライベートはもちろん、仕事でも光インターネットとひかり電話は欠かせません。「どうにかしてを引けないか?」と相談した所、自室が低層だったこともあり、戸建て向けのホームタイプ回線を直接引き込むことになりました。
本来なら、引っ越しから半月後には光インターネットが使えるようになるはずでした(それでも遅いのですが……)。それが、「工事当日に工事不可判定→数回の電話サポートとのやりとり→契約と工事の内容変更→再工事」と経て、結局引っ越しから2カ月近く経過してようやく「ブロードバンド難民」を卒業できました。
上記のような数カ月に及ぶ、ややこしいトラブルはめったにありません。しかし、契約や工事にまつわる軽微なトラブルは珍しくありません。トラブルが発生する可能性を加味すると、いつから使えるのか読み切れないのが固定インターネット回線が抱える最大のデメリットといえそうです。
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