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楽天モバイルはどう? Xiaomiスマホをなぜ採用? 「au 5G発表会」質疑応答まとめ(2/2 ページ)

auが3月26日に5G通信サービスを開始する。OPPO(オッポ)やXiaomi(シャオミ)のスマートフォンが注目を集めがちだが、見るべきポイントは他にもある。この記事では、報道関係者向けに行われた発表内容に関する質疑応答をまとめる。

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エリアやサービスの展開について

―― 5Gサービスの提供エリアについて、御社はソフトバンクと同様に(3月末時点でのエリアは)住所ベースでの公表となっています。その理由を教えてください(筆者注:4月末時点における予定エリアは、エリアマップでも確認可能)。

高橋社長 おっしゃる通り、5Gエリアの表現方法は各社でバラバラになってしまっています。各社とも特色のある出し方ではありますが、ユーザーに分かりやすいことが大前提です。他社と比較しつつ、私たち(のエリア表現方法)に工夫が必要なのであれば、随時対応していきたいと考えています。ここは差別化に力を入れるべき部分ではありません。

―― ソフトバンクは、LTEで利用している周波数帯の5Gへの転用に意欲を示しています。御社も同様の考えなのでしょうか。

高橋社長 既存周波数の5G化については、総務省で法令の整備を進めると聞いています。私たちも、それを踏まえた対応をしていきたいと思います。

 発表会のプレゼンテーションで示した基地局数については、新しく割り当てを受けた周波数帯(3.7GHz帯/28GHz帯)に加えて、既存周波数帯を使った基地局を含めた数字だと思っていただいて大丈夫です。

―― そうなると、新しい周波数帯の基地局と既存周波数帯の基地局は、どのくらいの比率になる予定でしょうか。

高橋社長 詳しい内訳は開示しませんが、新しい周波数帯の方が多くなると考えてかまいません。

5Gエリアの図
2022年3月末までに2万局を超える5G基地局を設置する計画。その一部は4G LTEサービスで利用している周波数帯の転用(併用)を見込んでいるようだ

―― 4G LTE用の周波数帯を5Gに転用したエリアでの通信速度はどのくらいになりそうでしょうか。

高橋社長 転用する周波数帯によって異なります。キャリアアグリゲーション(CA)も併用することになるので、「このくらいの速度」と一概に答えることは難しいです。

 ただ、今年(2020年)の秋口以降に対応した際に、改めて(最高速度を)公表することになるとは思います。

―― 4G LTEから転用した周波数帯でも、(5Gの)体験価値は損なわない、という理解で良いでしょうか。

高橋社長 初期段階の5Gは、LTEとのハイブリッド(NSA:ノンスタンドアロン)という構成です。なので、4G LTEのネットワークをピカピカに磨き上げて、そこにより高速な5Gネットワークを重ねて、その中で何ができるのかということを真剣に議論しています。

 5Gエリアが広がるにつれて、その価値を体験できるお客さまは増えていきます。一方で、4G LTEネットワークの中でそれを楽しむお客さまもいますから、5Gの価値は生かしつつも、4G LTEでも十分に楽しめるようなコンテンツを拡充したつもりです。

 既存の周波数帯を5Gに転用すると、4G LTEよりも高速にはなるでしょうが、単純に速度だけで物語るものではないとも思います。

―― 5G基地局の整備において、新型コロナウイルスの影響は出ているのでしょうか。

高橋社長 私たちも日々、サプライチェーンにどのような影響が出るのか注視している状況です。現時点において、基地局整備に影響は出ていません。

 ただ、5月や6月になると、基地局だけではなく端末の調達など、事業への影響が出てくる可能性はあります。日々情報をアップデートしながら、対応をしていきます。

―― NTTドコモは、5Gサービスにおいて「2023年までに2000万契約」という目標を掲げています。御社でも5Gサービスの契約数の目標を設定しているのでしょうか。

高橋社長 5Gサービスの契約数(の目標)については公式に話したことはないのですが、言えることとしては、2020年度末までには何とか二百数十万件クラスには行きたいなと考えていきます。

―― 4G LTEサービスのスタート時と同じくらいの数字と見て良いですか。

高橋社長 それと比べると、ちょっと弱いと思います。

 4G LTEのスタート時点では、スマホという(普及を促進する上での)“武器”がありました。それと比べると、5Gにおいてスマホの形が全く変わるというわけでもないので、若干弱含みになっている感じです。

 3Gの普及時と同じように、上位レイヤーのサービスを磨いて工夫して、5Gの魅力を見せていく必要があると考えています。二百数十万の上の方を狙えるように、頑張っていきたいです。

コンテンツ勝負
5Gの魅力を訴求すべく、コンテンツを含めたサービスの魅力を高める戦略を取る

―― 先日、JFEスチールの東日本製鉄所(千葉地区)に5Gを導入するという共同発表がありました(参考リンク)。4G LTEまでのサービスエリア展開は、まず東名阪(関東、中部、関西)の主要都市においてエリアを広げて、その後あまねく全国に広げるという方法を取っていたと思うのですが、5Gでは「都市」「地方」とは別軸で、新しいユースケースを開拓できそうな企業やパートナーのために優先してエリアを構築するということも増えていくのでしょうか。

高橋社長 5Gエリア展開の考え方は「toC(コンシューマー向け)」「toB(法人向け)」で分けています。コンシューマー向けでは、スタジアムのような5Gの特徴が生かせるスポットを中心に、生活動線に合わせたエリア展開をしていくことが基本です。

 先ほど挙げていただいたJFEスチールの事例もそうですが、法人向けにはお客さまごとに対応していくことになると思います。例えば「5GでFA(ファクトリーオートメーション)化をしたい」という要望があった場合は、室内やその周辺部に5Gエリアを構築するということも考えられます。ユースケースに応じて、法人営業と連動して取り組んでいくことになります。

―― 5G基地局を1万、2万と積み上げていって、現在の4G LTE並みのエリアになるのはいつ頃になりそうでしょうか。

高橋社長 基地局の整備は開設計画に基づいてやっていくので、「何年度に」ということは示しづらいのですが、2022年度ぐらいには同等のレベルに持って行きたいと思っています。

 5Gの真価を発揮するには、ネットワークをいち早くスタンドアロン(SA:LTEから独立した構成)に持って行く必要があります。これについては2021年度後半辺りになると見込んでいますが、お客さまの利用動向を見つつ、“なるべく早く”でやっていければと考えています。

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