急なテレワーク、ネット回線はどうする? 工事不要で導入できる「ワイヤレスルーター」を検討してみよう:モバイルdeワークスタイル変革(2/3 ページ)
新型コロナウイルス対策の一環として、急きょ「テレワーク(遠隔勤務)」が導入された企業や部署も少なくないと思います。自宅に固定インターネット回線がない人は、携帯電話ネットワークを使った「ワイヤレスルーター」の導入を検討してみましょう。
ホームルーターのおすすめは?
ワイヤレスのホームルーターを使う場合は、UQコミュニケーションズやau(KDDIと沖縄セルラー電話)を含む複数のMVNOが提供している「UQ WiMAX」や、ソフトバンクの「SoftBank Air」が主力候補となるだろう。
UQ WiMAX(UQコミュニケーションズなど)
UQ WiMAXは「WiMAX 2+」と呼ばれる通信規格を使った通信サービスだ。主力の通信プラン「ギガ放題」の月額料金は、定期(2年)契約のない場合は4050円、ある場合は3880円となる。定期契約のあるプランを更新期間(契約満了月を含む3カ月間)以外で解約すると、1000円の契約解除料が発生する。
先述の通り、UQ WiMAXは複数のMVNOからも提供されており、その多くはUQコミュニケーションズと同等のプランを提供している。auでは「モバイルルータープラン」と「ホームルータープラン」がギガ放題に相当する(月額料金が少し異なる点や、国際ローミングが可能なことなど細かい仕様の差異はあるが、特記以外は割愛する)。
ギガ放題は、WiMAX 2+単体での通信(ハイスピードモード)における月間データ量の上限を設けていないことが特徴だ。ただし、3日間で10GB以上通信すると、翌日の18時頃から翌々日の2時頃まで通信速度が1Mbps程度に制限される。
とはいえ、WiMAX 2+単体で通信できるエリアであれば、多くの企業のコアタイムであろう日中の時間帯は、通信を実質無制限で使える。テレワークで通信容量が大きくなった場合も、夜遅くまで仕事が掛からなければ問題ない。
なお、UQ WiMAXには、WiMAX 2+エリアに加えてau 4G LTEエリアも利用できる「ハイスピードプラスエリアモード」も用意されている。月額料金は1005円で、このモードを利用した月のみ自動課金される仕組みだ。ただし、一定の条件を満たせば無料となる。
ハイスピードプラスエリアモードを使うと、WiMAX 2+が圏外の場所でも使える上、WiMAX 2+の圏内では通信速度を上乗せできるというメリットがある。ただし、このモードには月間7GB(※1)の通信容量制限があり、この制限に抵触した場合、ハイスピードモードを含めて、データ通信速度が翌月までの上下最大128kbpsに制限されるので注意したい(※2)。
(※1)auのホームルータープランでは、一定の条件を満たすと月間30GBになります
(※2)auでの契約分は「エクストラオプション」または「データチャージ」によって速度を回復できます(いずれも有料)
UQ WiMAXを利用できるホームルーターは、「UQ WiMAX オンラインショップ」などで幾つか販売されている。
最新端末は、2020年1月に発表されたNECプラットフォームズ製の「WiMAX HOME 02」。従来のホームルーターと比べると少しコンパクトで、ハイスピードモードの通信速度は下り最大440Mbpsとなる。Wi-Fi機器は最大で20台まで同時接続できる。オンラインショップでの価格は1万5000円だ。
SoftBank Air(ソフトバンク)
SoftBank Air(ソフトバンクエアー)は、その名の通りソフトバンクの携帯電話ネットワーク(SoftBank 4G/4G LTE)を利用した固定通信サービスだ。「Airターミナル」という据え置きルーターを部屋に設置し、電源コードをコンセントに接続するだけで、すぐにネット環境を構築できることが魅力だ。
プランは定期(2年)契約のものしかなく、月額料金は契約から12カ月目までが3800円、それ以降は4880円となる。契約更新期間(課金開始月から数えて24カ月目)以外での解約には、9500円の解約金がかかる。
通信速度は、利用するエリアや提供されるAirターミナルの世代によって異なり、最新の「Airターミナル 4」は、一部地域において下り最大962Mbpsで通信できる。上り速度については、特に記載されていない。自宅付近の下り最高通信速度は、ソフトバンクのWebサイトで確認できる。
期間を定めたデータ通信容量の制限は一切ないことがSoftBank Airの大きな魅力だ。ただし、通信が混雑する時間帯や、やりとりする通信内容によっては通信速度が制限される場合がある。大容量のデータを頻繁にやりとりしたり、複数台のPCのOSアップデートを一気に行ったりするなど、極端な通信をしない限りは制限に抵触しないだろうが、心に留めておきたい点ではある。
Airターミナルは、買い切り(購入)とレンタルを選択できる。レンタル利用する場合は、月額490円で利用することになる。
買い切りの場合、代金の支払い方法は36回の分割払い(税込み月額1650円)しか選択できない。この代金は、回線契約のある限り「月月割」で相殺されるため「実質0円」で利用できるが、回線の定期契約期間と分割払いの支払い期間が“ずれている”ことにも注意が必要だ。
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