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iOS 14とiPadOS 14のパブリックβ版を試す 「ホーム画面」と「Apple Pencil」の使い勝手はどう変わった?石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

7月10日に、「iOS 14」や「iPadOS 14」のパブリックβ版がリリースされた。iOS 14ではウィジェットやAppライブラリーに対応したことで、使い勝手が大きく変わった。iPadOS 14は、iPadの魅力でもあるApple Pencilや大画面に特化したアップデートがあり、iOS 14とは異なる方向に進化している。

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 7月10日に、「iOS 14」や「iPadOS 14」のパブリックβ版がリリースされた。WWDC直後の公開された開発者向けのβ版とは異なり、iPhoneやiPadにプロファイルをインストールするだけで、誰もが簡単にインストール可能。あくまでβ版に位置付けられているため、正式版とは違ってバグなども残っているが、一足先に最新OSの世界に触れることができる。さまざまなユーザーからのフィードバックを生かし、正式配信する際の完成度を高めるのが、Appleの目的だ。

 メインの端末、特にクリティカルな業務に使っているような端末に入れるのはオススメできないが、多少のバグを気にしない人や、予備の端末を持っている人は、最新OSを試してみてもいいだろう。インストール前に、あらかじめ現行バージョンのOSでバックアップを取っておけば、安心して利用できる。筆者も、そんなiOS 14とiPadOS 14を、パブリックβ版で体験してみた。ここでは、その使用感などをお伝えしていきたい。

iOS 14
「iOS 14」と「iPadOS 14」のパブリックβ版を試した

 なお、パブリックβ版はあくまで検証が目的のもので、規約ではスクリーンショットの公開も禁止されているので注意が必要だ。本稿では、取材に基づく特別な許可を得て掲載している。

ウィジェットでガラリと変わったホーム画面、iPadOSは見た目の変化が少なめ

 初代iOSからiOS 13に至るまで、iOSは一貫して、アプリのアイコンをズラリと並べるユーザーインタフェースを踏襲してきた。デザインや細部のブラッシュアップはあったものの、この作法だけは不変だった。ホーム画面を表示させて、使いたいアプリを選ぶだけという“お作法”は、iOSが直感的と評されていた理由の1つと言っても過言ではないだろう。ここに大きく手を入れたのが、iOS 14だ。以下に掲載した画面を見れば分かる通り、ウィジェットが並んだことで、見た目が大きく変わった。

iOS 14
ウィジェットをホーム画面に配置できるようになり、見た目が大きく変わった

 デザイン面で言えば、アプリのアイコンが等間隔に並んでいたこれまでのホーム画面より、カラフルで情報量も多い。「写真」のように、実用性というより、ホーム画面のデザインにアクセントをつけるようなウィジェットも存在する。どのような組み合わせにするかにもよるが、アイコンがキレイに並んでいたiOS 13までのiPhoneより、ダイナミックさが増した印象を受ける。

iOS 14
「写真」のように、ホーム画面に花を添えるウィジェットも用意されている

 ウィジェットは実用性も高い。特に「ニュース」や「天気」「カレンダー」といった各種情報を表示できるウィジェットは、画面のロックを解除するだけで目に飛び込んでくるため、アプリを立ち上げる必要がなくなる。より深い情報を知りたいときだけ、アプリを開くといった形に、iPhoneの使い方が変わってくる。アプリありきだったこれまでのiOSとは、その意味で大きく使い勝手が異なるといえそうだ。

iOS 14iOS 14 「ニュース」や「天気」は、情報取得に向いたウィジェットだ

 ウィジェットは、小、中、大の3種類。設置する際には、ホーム画面の空白部分を長押しして、画面左上の「+」をタップする。このボタンをタップすると、ウィジェット一覧が表示されるため、ここからホーム画面に置きたいものを選ぶ仕組みだ。3サイズ全てそろっているものや、2サイズしかないものなど、ウィジェットによってサイズはまちまち。「メモ」のように、一番上のメモを表示するウィジェットが小のみ、フォルダを表示するのが小、中、大の3つと、計4つから選択できるものもある。

iOS 14iOS 14 ホーム画面の空白部分を長押しして「+」をタップし、ウィジェットを選択する

 また、ウィジェット同士を重ね合わせたり、ウィジェット一覧で(時間や場所に応じたウィジェットを表示する)「スマートスタック」を選択したりすることで、1つのスペースに複数のウィジェットを配置できる。スマートスタック化されたウィジェットは、上下のフリックなどで切り替えることが可能だ。ウィジェットを設置したいが、スペースが限られているときなどに重宝しそうな機能といえる。iOS 13までのiOSのように、ウィジェット専用のページも備えている。

iOS 14
ウィジェットを重ねて、スマートスタックを作成することができる

 ホーム画面に直接ウィジェットを配置できるiOSに対し、iPadOSは、従来のスタイルを踏襲した。iPadOSは、2019年に登場した際、1画面目にウィジェットを固定表示できるようになったが、iPadOS 14でも、ここにしかウィジェットを置くことができない。ただしウィジェットのデザインはiOS 14と同じで、よりカラフルに、見やすくなっているのがiPadOS 13との差分といえる。スマートスタックにも対応する。

iOS 14
ウィジェットのデザインはiOS 14と同じだが、専用スペースにしか配置できない

 なぜこのようなUIになったのかは語られていないが、iPadはホーム画面が端末の向きに合わせて回転するため、ウィジェットとアイコンを併存させると、ホーム画面のレイアウトが縦と横で大きく変わってしまう。iPadOS 13までと同様、横位置にしたときだけ常時表示できれば、ウィジェットの目的は果たすことが可能だ。同じiOSがベースになったiPadOSだが、デバイスに特性の違いに合わせて、UIを最適化したといえそうだ。

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