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au史上最速の「5Gルーター」 しかしスマホにはない「3日10GB制限」あり5分で知るモバイルデータ通信活用術(2/2 ページ)

au 5G対応のモバイルルーター「Speed Wi-Fi 5G X01」が、一般ユーザー向けにも発売されました。合わせて、5Gルーター用のプランにも見直しがかかりました。ただ、いろいろと気を付けないといけないことがあるので、改めてチェックしていきましょう。

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au 5Gのルーター専用プランには“容量制限”がある

 Speed Wi-Fi 5G X01の個人向け販売に伴い、auは従来の「ルーターフラットプラン40(5G)」を「ルーターフラットプラン80(5G)」にリニューアルしました。月額料金は7150円で、2年契約時は永年毎月170円引き、「5Gルータースタートキャンペーン」を適用すると契約から48カ月間は毎月2000円引きとなります。

 プラン名からも察しが付くと思いますが、au 5Gのルーターフラットプランには月間容量制限があります。従来は月間40GBだったのですが、Speed Wi-Fi 5G X01の個人向け発売に合わせて80GBに“倍増”しています。

 月間80GB以上通信した場合は、データ通信速度が月末まで最大128kbpsに制限されます。4G LTEルーター用プランと同様に、「エクストラオプション」(2500円/2GB:自動購入)や「データチャージ」(550円/500MB、1000円/1GB、3000円/3GB、5000円/5GB:手動または予約購入)によって速度回復が可能です。

月間制限
ルーターフラットプラン80(5G)には、月間80GBのデータ通信容量制限がある

 このプランでは、月間制限に加えて3日当たり10GBの通信容量制限もあります。これを超過した場合は、通信が混雑する時間帯(18時頃から翌2時頃まで)のデータ通信速度がおおむね1Mbps程度に制限されます。

 これはUQコミュニケーションズやauを含むMVNOが提供する「WiMAX 2+」のデータプランの「ハイスピード(WiMAX 2+単独)モード」と同様の制限で、エクストラオプションやデータチャージでは解除できません。

3日で10GB制限
ルーターフラットプラン80(5G)には3日間当たり10GBの通信容量制限もある

 電波資源が有限であることを考えると、月間データ通信量に一定の上限を設けることは百歩譲って仕方ないにしても、直近3日間の通信量にまで制限を設けるのは予想外でした。

 というのも、国内におけるスマホ単独での通信という条件は付くものの、au 5Gのスマホ向けプラン「データMAX 5G」シリーズでは月間データ通信量は無制限で、直近3日間の通信量に基づく制限は明記されていないからです。

 恐らく「PCのデータ通信量は予測しづらい」という事情から「月間」「3日間」両方の制限を設けているのだと思いますが、スマホとルーターのどちらの方が通信量が多くなるかは、使い方次第です。昨今ではスマホ向けのアプリやコンテンツも大容量化が進んでおり、スマホ単体でもPCをしのぐ通信量になる可能性があります。「スマホは容量制限なし、ルーターは容量制限あり」とする合理的な理由は、もはやほとんどないはずです。

 キャンペーンながら、NTTドコモが「5Gギガホ」(定期契約がない場合は月額7650円)において国内のデータ通信容量を完全無制限としていることを踏まえると「なんでこうなるの?」という思いは拭いきれません。

料金比較
auとNTTドコモの5Gルーター向けプランの比較。auの方が割安ではあるものの、容量に関する制限は厳しめである

4G LTE/WiMAX 2+ルーターからの契約変更は要注意

 auのWiMAX 2+対応データ専用端末からau 5Gルーターに機種(契約)変更する場合は、月間のデータ通信容量制限が“復活”していることにも注意が必要です。

 現行のWiMAX 2+ルーター向けの料金プランは、ハイスピードモードなら月間のデータ通信容量を無制限としています。機種変更後に同じ感覚で通信をすると、あっという間に通信容量制限に引っかかる可能性があるのです。

WiMAX 2+ルーター
WiMAX 2+ルーターは、ハイスピードモードなら月間容量無制限だった(写真は「Speed Wi-Fi HOME 02」)

 WiMAX 2+ルーターでは、4G LTEネットワークを併用する「ハイスピードプラスエリアモード」にすることで通信速度を向上できます。ただし、ハイスピードプラスエリアモードには月間7GBの通信容量制限があり、これに抵触すると、ハイスピードモードも含めて月末まで通信速度が上下最大128kbpsに制限されてしまいます。

 それに対して、au 5Gルーター(Speed Wi-Fi 5G X01)は用いるネットワークによる容量制限を考慮しなくても良い上、5Gエリアなら下り最大4.1Gbpsと、圧倒的に高速な通信を利用できます。

 ただし、5Gエリアは非常に限られている現状と、先述の容量や速度の制限、端末代が割高であることなどを踏まえると、WiMAX 2+ルーターから5Gルーターに機種変更することを急ぐ必要はありません

エリアマップ
au 5Gのエリアは非常に限られている

 一方、競合であるドコモの5Gルーターは、先述の通りキャンペーンによって国内のデータ通信容量が無制限となっています。キャンペーンが終わったとしても、容量超過後の通信速度が上下最大3Mbpsとauよりも高速な設定となっています。この制限は、ドコモのXi(LTE)向けプラン「ギガホ」よりも緩いので、5Gエリアで使えなくても一応のメリットはあります。

 「それでも3Mbpsでしょ?」と思われるかもしれません。しかし、以前の連載で楽天モバイルの容量制限時の通信について検証した時にも触れた通り、3Mbps出る状態ならWebサイトの閲覧なら十分に快適です。

 ルーター向けのプランで制限時の速度が「128kbps」あるいは「おおむね1Mbps」、しかも5G通信サービスのプランでこれはさすがに厳しいので、auにおかれましては改善をお願いしたいです……。

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