「買った店」や「キャリアショップ」に行かないとダメ? 携帯電話の手続き窓口が限られる理由:元ベテラン店員が教える「そこんとこ」(1/2 ページ)
携帯電話の契約(購入)で手続き上のミスがあった――その場合、原則として買った店舗に行かないとミスの訂正を行えない。筆者が遭遇した実例を見つつ、その理由を解説していく。
新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、大手キャリア各社は3月から5月末にかけて、キャリアショップの臨時休業あるいは時短営業、窓口における受け付け業務の制限といった措置を講じました。
その影響で、携帯電話の購入や回線契約にまつわる手続きで困難を抱えた人は少なくありません。実は、筆者もその1人です。3月下旬に各社がスタートした5G通信サービスをいち早く試すつもりが、記事を執筆している時点でも5Gデビューには至っていません。
「オンラインや電話窓口で契約変更(機種変更)をすれば良かったのでは?」と思うかもしれませんが、手続きによっては店頭に直接出向いた方がすんなり進んだり、そもそも店頭でなければ対応できなかったりすることもあります。筆者の場合は両者に当てはまり、手続きを行いたくても自分の都合の良いタイミングで手続きに出向けず、外出するにもまだまだ気を遣わなければならず……ということで、完全にタイミングを逃してしまった格好です。
家電量販店や複数キャリアの携帯電話を取り扱う併売店などでも、会社あるいは店舗ごとの判断で臨時休業や時短営業が実施されました。今回の元ベテラン店員が教える「そこんとこ」では、筆者が実際に遭遇した、家電量販店の臨時休業にまつわるトラブルと、それが発生した背景を解説していきます。
受けられるはずの割引を受けられなかった
私事ですが、筆者は娘にNTTドコモの「キッズケータイ」を持たせています。安全のことも考えた上での判断です。
新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が出る少し前、その調子が悪くなりました。そこで、今後の事も考えて、早めに機種変更をすることにしました。
当初はドコモオンラインショップで手続きしようと考えていたのですが、新型コロナウイルスの影響か、発送までにある程度の日数がかかる状態だったので断念。自宅近くのショッピングセンターに出店している家電量販店で在庫を確認できたため、その店で購入することにしました。
購入時の手続きは回線とひも付いた「機種変更」で、端末代金は携帯電話料金との合算払いに設定した「d払い」アプリによるコード決済で支払いました。
ところが、この際に本来は適用できるはずの端末代金の値引きキャンペーンが適用されませんでした。今回購入した機種は前月までキャンペーンの適用対象外で、適用可能になったことを失念した店員さんが手続きをしなかったのです。
臨時休業で返金できない!?
購入機種に値引きを適用できることを筆者が知ったのは、購入から数日後のこと。割引額が小さくなかったため、店舗に連絡して差額分の返金を求めることにしました。
ところが、購入した店舗の入居するショッピングモールが臨時休業に入ってしまいました。当該店舗も家主(ショッピングモールの運営会社)の方針には従わざるを得ず、臨時休業となりました。
臨時休業に入ったせいか、電話をしてもつながりません。仕方ないので、家電量販店のWebサイトからどうすれば良いか問い合わせた所、購入店舗の営業が再開しないと返金はムリという結論となりました。
何度かやりとりをする中で、以下のようなことが分かりました。
- 通常の商品なら、営業中の他店舗でも返品や交換を受け付けられる
- 今回の割引は契約に基づくため、当該店舗から依頼しないと変更を行えない(≒他店舗では手続きを代行できない)
- コード決済(や各種電子マネー)での支払いは通常の返金フローを取れない
今回の機種変更は「2」と「3」に該当するため、他店舗では返金できない――そういうことになります。
筆者も長らく携帯電話の販売に携わっていたので、「端末代金の割引は契約手続きの一環として行われる」「手続きの訂正依頼は、手続きを行った店舗からのみできる」といったことは十二分に理解しています。このような回答になることは予想できましたし、説明を聞いて「やっぱりそうなるよなぁ」とも思いました。
しかしながら、緊急事態下で発生したトラブルなので、1人の客として「イレギュラー対応してくれるのではないか?」という淡い期待を抱いていたことも事実です。そういう視点に立つと、今回の対応は「残念」でもあります。
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