武田総務大臣がau新料金の「紛らわしい」発言を釈明 「料金プランに対して指摘したつもりはない」
武田良太総務大臣が、1月19日の定例会見で、auの新料金ブランド「povo」の「紛らわしい」発言について釈明した。武田氏は「料金プランに対して指摘したつもりはない」と説明。「記者会見で最安値という言葉を使ったこと」を問題視したという。
武田良太総務大臣が、1月19日の定例会見で、auの新料金ブランド「povo」の「紛らわしい」発言について釈明した。
武田氏は1月15日の会見で、auのpovoについて「紛らわしい発表だと思っている」と所感を述べた。その理由は、KDDIがpovoを最安値だと言いながら、5分かけ放題の料金を含めると、ドコモやソフトバンクと同額になるため。
19日の会見であらためてその発言の真意を問われた武田氏は、「料金プランに対して指摘したつもりはない」と説明。「さらなる低廉化が進むことは非常に良いことだと思う。特に音声通話をあまり利用されない方にとっては非常にありがたい制度」と評価したが、「記者会見で最安値という言葉を使ったこと」を問題視。これは「消費者に誤認を導く」と批判した。
しかしKDDIはニュースリリースや発表会のプレゼンテーションで「最安値」という言葉は使っておらず、発表会の質疑応答で高橋誠社長が触れたのみ。その発言は以下の通り。
- 「ベース料金は2480円、3キャリアで最安値を出していきたいと思った。これに加えて、トッピングという新しいコンセプトを付けて特色として出した」
- 「単純に料金として(ドコモやソフトバンクと)合わせるのではなく、2480円という最安値を付けて、その上でトッピングという、いろいろなアイデアを注入できるようなプランに仕立て上げた」
2つとも意味合いは同じだ。武田氏は「他社における違うサービスを同一線上に導いて、あたかも自分のところだけが一番安いというような発言をすることは、消費者にとっては非常に紛らわしい」と指摘するが、高橋氏は2480円という数字だけをいたずらにアピールしていたわけではなく、あくまでベース料金であり、トッピングで機能を追加できる旨を説明していた。
povoについては幾つかのメディアが見出しで「最安値」と報じていたが(ITmedia Mobileでもこちらの記事で“業界最安”とタイトルに付けていた)、恐らくこれらの報道(見出し)が、武田氏の「紛らわしい」という感想につながったのではないだろうか。
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