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「Y!mobile」と「UQ mobile」の新料金プランを比較する 家族割引と繰り越しが大きな違い

2月から、Y!mobileとUQ mobileの新料金プランが提供される。Y!mobile向けには「シンプルS/M/L」、UQ mobile向けには「くりこしプランS/M/L」という3つのプランで構成される。後から発表したUQ mobileの方がお得な内容だが、注意点はあるのだろうか。

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 ソフトバンクとKDDIが、オンライン専用の20GBプランを発表したことに伴い、サブブランド「Y!mobile」と「UQ mobile」の新料金プランも発表した。Y!mobileとUQ mobileは、これまでメインキャリア2社のサブブランドとして比較されることが多かったが、新プランではどのような違いがあるのか。

UQ mobileの方が安く、M/Lはデータ容量も大きい

 Y!mobile向けには「シンプルS/M/L」、UQ mobile向けには「くりこしプランS/M/L」という3つのプランを発表。いずれも2021年2月から提供する。プラン名の通り、S、M、Lの3タイプに分かれており、小容量から中容量までをカバーしている。

 それぞれ、容量や料金は横並びかと思いきや、じつは違う。Y!mobileは2020年12月、UQ mobileは2021年1月に発表したこともあり、後出しとなったUQ mobileの方がY!mobileより安くしている。

Y!mobile
Y!mobileの新料金プラン「シンプルS/M/L」
UQ mobile
UQ mobileの新料金プラン「くりこしプランS/M/L」

 小容量の「S」プランを見ると、シンプルSの月額1980円(税別、以下同)に対し、くりこしプランSは500円安い月額1480円。データ容量は3GBで変わらない。月額1480円で3GBという中身は、もはやMVNOと比べても安いほど。例えばIIJmioの「ミニマムスタートプラン(3GB)」は月額1600円なので、Y!mobileは380円高いものの、UQ mobileは120円安い。

Y!mobile

 中容量の「M」プランも、月額2980円のシンプルMより月額2480円のくりこしプランMの方が500円安い。しかもデータ容量はシンプルMの10GBに対し、くりこしプランMは5GB多い15GBとなっている。

Y!mobile

 3プランで最も大きな容量となる「L」プランは、月額3780円のシンプルLより、月額3480円のくりこしプランLの方が300円安い。データ容量もシンプルLの20GBに対し、くりこしプランLは5GB多い25GBだ。

Y!mobile

 月間のデータ容量を超えた後の速度は、Sが300kbps、MとLが1Mbpsで変わらない。

UQ mobileは家族割引を適用できない

 料金とデータ容量だけを見ると、UQ mobileがリードしているが、注意点もある。UQ mobileのくりこしプランは、2回線目以降の月額料金を500円割り引く「UQ家族割」を適用できない。Y!mobileでは新プランも2回線目以降が500円引きとなる「家族割引サービス」を適用できるため、これを含めればSとMは1480円、2480円でUQ mobileと同額になり、Lは3280円でY!mobileの方が200円安くなる。それでもMとLについてはUQ mobileの方が5GB多くデータを利用できる。

 裏を返せば、UQ mobileのくりこしプランは単身で利用していても、家族で利用していても金額は変わらず、単身でくりこしプランS/Mを利用するならY!mobileよりもお得になる。

 家族で利用する場合も、UQ家族割を適用できる現行の「スマホプラン」よりもくりこしプランの方が500円安く、さらにくりこしプランM/Lはデータ容量がスマホプランR/Vより5GB増量されている。2月に提供予定だったスマホプランVはくりこしプランに変更されたので、比較対象からは省くが、スマホプランRを家族で契約していたとしても、くりこしプランMに移れば5GB分お得になる。

UQ mobile
UQ mobileは現行のスマホプランから500円値下げをして、S以外はデータを増量している

データを繰り越せるのはUQ mobileのみ

 余ったデータ容量を翌月に繰り越せるのはUQ mobileのみ。これは新プランでも同様の違いとなる。UQ mobileでは、現行のスマホプランでもデータの繰り越しは可能だが、新しいプランの名称をあえて「くりこしプラン」としたのは、繰り越しに対応していないY!mobileへの優位性をアピールする狙いもあるのかもしれない。

 データチャージは2プランとも500MBあたり500円で行える他、UQ mobileは100MBあたり200円のチャージも可能。

通話料金は従量課金、UQ mobileは60分無料も

 通話料金については、かけ放題サービスは付いておらず、30秒あたり20円の従量課金となる。国内の通話が月額700円で10分かけ放題、月額1700円で時間制限なしのかけ放題となるオプションを利用できる。

 ちなみにドコモ、au、ソフトバンク、ahamo、SoftBank on LINE、povoでは5分かけ放題は用意しているが、3キャリアの現行プラン(ブランド)で10分かけ放題を提供しているのは、Y!mobileとUQ mobileのみ。5分だと少し話し込むと超えてしまうが、10分ならまだ安心感がある。またUQ mobileでは、月額500円で60分の通話が無料になるオプションも用意している。「時間制限があると落ち着かないが、1カ月の通話時間は60分以内に収まる」という人に適している。

 データ通信料金が安いだけでなく、通話オプションが充実している点も、Y!mobileとUQ mobileを選ぶ理由に1つになるかもしれない。

踏み込んで改定したUQ mobile Y!mobileは追随するか?

 UQ mobileは新プランで家族割引を撤廃しながら、その割引分(500円)を現行プランから値下げし、さらにMとLについてはデータを5GB増量しており、かなり踏み込んだ改定をしている。Y!mobileの新プランは期間限定の割引をなくし、これまでバンドルしていた10分かけ放題をオプションにしたことで、基本料金は下がったが、値下げをするというよりはプランの内容をシンプルにすることに主眼が置かれている。

 何かと比較されやすい2ブランド。プラン提供開始の2月まで間もなくだが、Y!mobileがUQ mobileへの対抗策を講じるのか注目したい。

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