ドコモがオープンRANや5Gソリューションを海外展開 柔軟で拡張性の高いネットワークを(2/2 ページ)
NTTドコモは、オープンRANの海外展開を目的とした「5GオープンRANエコシステム」の構築を発表。NVIDIA、Qualcomm、NEC、富士通などと協業する。海外拠点を持つ法人に5Gソリューションを提供することを目的とした「海外法人5Gソリューションコンソーシアム」も設立する。
まずはタイの日系企業に5Gソリューションを提供
海外法人5Gソリューションコンソーシアム(5GEC)では、5GオープンRANエコシステムと連携し、海外拠点を持つ法人に5Gソリューションを提供することを目指す。国内外でソリューション展開に強みを持つパートナーと手を組み、ネットワーク技術、保守運用、顧客チャネルなど、ソリューションとネットワークの各種サービスをワンストップで提供する。
「工場向けソリューションを提供するためには、敷地内をエリア化するプライベートネットワークが有効。ソリューションと顧客の要望に合わせたプライベートネットワークを組み合わせ、最適なソリューションパッケージを提供する」(谷氏)
まず、タイの日系企業ともに2021年度下期に実証実験を行う。工場やプラントなど、センサーと組み合わせたIoTソリューションにより、設備の稼働状況や工程管理を可視化する。将来的には海外企業もターゲットにしたいという。
5GオープンRANエコシステムと5GECは、相互連携することで取り組みを加速させていく。
「5GECにおいて海外で実証実験を行い、その結果を5GオープンRANエコシステムにフィードバック。進化させたネットワークは、海外法人5Gソリューションのパッケージに追加していく」(井伊氏)。こうした相互連携でノウハウを蓄積し、ネットワークとソリューションを進化させていくとした。
なお、収益化はネットワークシステムのインテグレーションと保守運用の両方で検討しているという。
5GオープンRANエコシステムについては、2021年度に日本で海外通信キャリアとともに実証実験を行った上で、2022年度に海外向けに商用化していく。海外法人5Gソリューションについても2022年度の商用化を目指す。
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