NTT、過疎地域での遠隔診療・リハビリ指導に5Gを活用 医療従事者の不足や派遣の負担軽減に
NTTデータ経営研究所らは、過疎地域診療所での5Gを用いた遠隔診療・リハビリ指導の実証実験を実施。5Gや4Kカメラを使用した高精細な映像伝送・診療システムにより、医療従事者の不足や派遣の負担などの課題解決に貢献する。
NTTデータ経営研究所、NTTドコモ東海支社、新城市民病院、東海国立大学機構 名古屋大学、新城市、理化学研究所、ニプロ、ソシオネクストは、2月22日に過疎地域診療所での5Gを用いた遠隔診療・リハビリ指導の実証実験について発表した。
本実証実験は、総合診療医、リハビリ専門医、リハビリ専門職といった予防医療を担う医療従事者の不足や、山間部などのの過疎地域へ医療従事者を派遣する負担の増加に対する課題解決として実施したもの。
5Gや4Kなど高精細カメラを用いた映像伝送・診療システムを構築し、実証地域の診療所や集会所と中核病院の医師をつないで超音波画像検査(腹部エコー)などの遠隔診療や遠隔リハビリ指導を実行した。映像は良好な解像度であり、映像伝送やデータ転送の遅延時間も許容範囲内で問題なく、遠隔診療やリハビリ指導が可能になることを確認したという。
実験参加者や医療従事者に対するアンケート分析、5Gの受信電波分布などの比較検証ところ、患者の全身・歩行状態・局所部位の各様子を療法士のリハビリ指導に求められる十分な映像品質で確認。また、遠隔の医師と現地の看護師が連携して腹部エコーのプローブ操作も可能で、中核病院の言語聴覚士と現地の看護師が連携した嚥下(えんげ)指導も行えた。
今後はローカル5Gを含めた5G基地局、モバイル超音波画像診断装置、遠隔診療支援システム、映像伝送・診療システムなどの事業継続性や実現可能性の検討を推進していく。
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