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法人向け5Gデバイスを本格展開する京セラ 通信機器メーカーとしての強みは?(2/2 ページ)

1989年に携帯電話市場に参入した京セラは、長らく端末事業を展開しており、2000年代に入って車載・産業機器向け通信モジュールも開発してきた。端末メーカーの知見を生かして、設計からサポートまでをワンストップで行う「京セラコネクティングサービス」も提供している。2021年5月には法人向けのミリ波対応5Gルーター「K5G-C-100A」を本格販売する。

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5Gデバイス「K5G-C-100A」の特徴は?

 こうした中で販売されるのが今回のK5G-C-100A。安定した連続通信、さまざまな機器との高い接続性、スタンドアロンでのアプリ利用、という3つの特徴を備えている。

京セラ
3つの特徴を備えるミリ波対応の5Gルーター「K5G-C-100A」

 K5G-C-100Aの本体サイズは165(幅)×78(高さ)×27(奥行き)mm、約326gと比較的大ぶりだが、6000mAhの大型バッテリーを備え、5GのSub-6とミリ波、4Gにも対応している。nano SIM×2のデュアルSIMもサポート。Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1に対応し、有線接続はUSB Type-Cを採用している。

 プロセッサにはSnapdragon 865 5Gを搭載し、メモリ8GB、ストレージ128GBを備える。GPS、GLONASS、みちびきなど5種類の位置測位システムもカバーする。排熱構造を工夫し、さらにファンを内蔵することで、安定した連続通信を可能にした。

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ファンを搭載したことで、長時間の通信も安定して行える

 多様な無線ネットワークに加え、USB Type-C経由で変換アダプターを使用すれば、HDMI、RS232C、有線LANへ接続することもでき、拡張性も確保されている。

 特徴の1つがエッジコンピューティング機能で、端末内部で処理を行ってクラウドにその結果を送信することができる。例えばカメラに接続した場合、K5G-C-100A内で映像を解析して異常があれば見つけてラインを停止する、といった作業が可能。警備員が装着した360度カメラに接続して、映像をエッジコンピューティング側でAI解析して人の顔や危険物を認識する、といった使い方も想定できる。

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活用例として、本体に京セラ製のエンコード/デコードアプリケーションをインストール。カメラに接続することで映像伝送時にコーデックやプロトコルをK5G-C-100A側で設定でき、専用機器なしで屋外の中継が可能だという

 エッジコンピューティング用のカスタムアプリケーションは、基本的に京セラやパートナーが提供するものを使うが、導入企業側が自由に開発してインストールすることもできるという。

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既に導入されて活用されたのがドローン物流の実証実験である「大分県 空飛ぶハモ鍋」。ドローンポートの通信端末として採用され、ドローンとサーバをつなぐエッジとしてK5G-C-100Aが活用された

 京セラは、回線とデバイス、そしてサービスを組み合わせ、さまざまなパートナーとも連携しながら水平展開型で提供していく。

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自治体や工場など、さまざまな領域でIoTが活躍するとして、京セラコネクティングサービスに注力していく
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その中で、さまざまなパートナーと連携しつつ、水平展開型の端末とビジネスモデルを構築していく
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