可変式望遠レンズの実力は? 「Xperia 1 III」のカメラであれこれ遊んでみた:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ)
ソニーが4月に発表し、6月から国内で順次投入される「Xperia 1 III」。デジカメとは別の方向で進化していったスマホのカメラ機能だが、Xperia 1 IIIは違う。超広角、広角、望遠に「AI超解像ズーム」で実質4つのカメラを搭載し、デジカメのような「素直な画作り」が可能となっている。
スマホカメラは進化する過程で「デジタルカメラ」とは別方向に大きくかじを切って成功したけど、そんな中、あえてデジタルカメラとして扱える、本格的な撮影に対応できるものを作ろうというソニーらしいコンセプトで登場したのがXperia 1シリーズなのである。当初はその志に追い付けない感があったけど、目指すところがあるというのは大事で、年々着実に進化しているのだ。
今回の大きな進化は「トリプルカメラだけど実質クアッド」ってとこと、2つに分かれていたカメラアプリが統合されたこと。この2点を中心に見ていきたい。
なお、レビューでは発売前の試作機を使用している。
実質クアッドカメラのXperia 1 III
Xperia 1 IIIは見ての通り、3つのカメラを搭載している。上から順に超広角カメラ(16mm相当)、広角カメラ(24mm相当)、望遠カメラ(70mm/105mm相当)である。
この望遠カメラが新しい。これは内部に光学ズーム機構を持っており、70mm相当と105mm相当を切り替えて使うのだ。ソニーでは可変式望遠レンズと言っている。これ、ちょっと分かりづらいのだけど、70mmと105mm相当の2段階のステップズームと思っていい。使う側としては実質クアッドカメラなのだ。
では超広角から105mm相当の望遠まで順番にそのズームっぷりを見てみたい。超広角は16mm相当でF2.2。イメージセンサーは1/2.6型で1200万画素だ。これは従来と同じ。
続いて、広角カメラ。メインカメラとなるのでちょいと高性能で、レンズは24mm相当でF1.7と明るく、イメージセンサーサイズも1/1.7型とちょっと大きめで1200万画素。いまひとつカラっと晴れてくれなかったのでコントラストは低めだけど、写りはナチュラルでいい感じ。
3番目は望遠カメラの70mm相当の方。広角カメラからは2.9倍となる。イメージセンサーは1/2.9型。超広角カメラのセンサーより少し小さいが、前モデルの望遠カメラよりは少し大きくなり、画質も上がった。F値はF2.3に抑えられている。
最後は105mm相当。70mmの1.5倍であるが、最後のひと伸びって感じでうれしい。F値はF2.8と70mm相当に比べるとちょっと暗くなるけど、スペック的には悪くない。
こうなると24mmと70mmの間がちょっと離れているよね、50mm相当くらいが欲しいよね、となる。ソニー的にはそこは「AI超解像ズーム」(AIを利用して補完する)を使い、クオリティーを上げたという。そこで48mm相当(広角カメラの2.0x)で撮ってみた。
何だかんだいってディテールは少し甘くなるけど、「AI超解像」というだけあってデジタルならではの不自然な感じは軽減されている。良いことである。今後、この手のデジタルズームの技術ってすごく重要になっていくと思う。
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