ドコモケータイを振り返る 50xシリーズで高機能化が進み、FOMAが3Gの普及を後押し:ITmedia Mobile 20周年特別企画(2/3 ページ)
ITmedia Mobileの20年を振り返る企画として、国内キャリアが2001年から2020年に発売した主要な「ケータイ」「スマートフォン」をピックアップしてまとめた。第1回はNTTドコモのケータイだ。iモードの対応機種「50xシリーズ」や、3Gサービス「FOMA」の普及に貢献した「90xシリーズ」を中心に紹介する。
メガピクセルカメラやおサイフケータイを搭載したモデルも登場
「50xシリーズ」は、出る度に新しい機能、サービスに対応してどんどん高機能化していった。504iSシリーズはカメラ付きケータイになり、505iシリーズは液晶ディスプレイがQVGAに高精細化。カメラ機能を強化した機種は、ドコモで初めてメガピクセルカメラ(100万画素以上)が搭載された。「D505i」はカメラ部分が回転、また、50xシリーズに初めてシャープ製端末が登場した(SH505i)。505iSシリーズは全ての機種がメガピクセルカメラを搭載。そして初めてFeliCaに対応したおサイフケータイとして、「506iCシリーズ」も登場した。
mova端末は成熟するにつれて、デザインも単なる折りたたみだけでなく、ユニークなものが登場している。「N506i」「SH506iC」は伝統の折りたたみスタイルではなく、「2軸回転機構」でディスプレイをくるっと回転させてディスプレイを表に出せる「リバーススタイル」「ビュワーポジション」を採用。「SO506iC」はディスプレイが180度回転してテンキーが出現する。
2004年には重さわずが69g、カメラを搭載しない超小型でシンプルな「premini」が登場。同じコンセプトでFeliCaを搭載しない「premini-II(SO506i)」も翌年発売した。
第3世代携帯電話サービス「FOMA」をメジャーにした「900iシリーズ」
50xシリーズは出るたびに機能がアップし、注目を集めた。その一方でドコモはW-CDMA方式の第3世代携帯電話サービス「FOMA」を2001年5月に開始。FOMA1号機として、テレビ電話ができるカメラ付きの「P2101V」、有機ELディスプレイを搭載した「N2001」、データ通信用カードの「P2401」を発売した。
FOMA端末は従来よりも通信速度が上がり、テレビ電話やPCとつないだ高速データ通信が可能に。PCと同様にインターネットニュースを見たり、ブログや掲示板に投稿したりできるようになったが、初期のFOMA端末は電池持ちが非常に悪く、エリアも狭かったため50xシリーズほど評価されなかった。
1台でmovaとFOMAのネットワークに対応した「N2701」なども登場したが、FOMAが本当に評価され、FOMA端末を誰もが使うようになったのは2004年登場の「900iシリーズ」からだ。
900iシリーズは「究極のiモードケータイ」とされ、容量がアップしたFlash動画や「ドラゴン・クエスト」や「ファイナルファンタジー」といったゲームのiアプリ版、HTML形式を採用した「デコメール」などに対応した。バッテリー持ちも良くなり、データ通信が定額制になったことなどもあり、幅広いユーザーに支持されていく。FeliCaにも「901iCシリーズ」で対応した。
90xはFOMAのハイエンドシリーズだが、価格を下げ、FOMA端末を購入しやすくしたのが「70xシリーズ」だ。ライフスタイルを重視する人向けというコンセプトで、著名なプロダクトデザイナーがデザインした「702i/702iDシリーズ」「702iSシリーズ」も2006年に登場した。ファッションブランドとのコラボモデル、極限まで薄さを追求した「N703iμ」「P703iμ」といった機種も登場し、ユーザーを驚かせ、楽しませた。
関連記事
- 3Gから4G、そして5Gへ モバイル通信の進化で業界のトレンドはどう変わった?
モバイルの通信規格は、おおむね10年に1回、世代が進むといわれている。3Gではデータ通信速度が最大384kbpsになり、パケット定額サービスが導入された。LTE(4G)ではスマートフォンが普及し、キャリアのビジネスモデルが変革を迎えた。 - スマホ以前の“カメラ付きケータイ”は、独自の進化を遂げて面白かったのである
2000年に登場したカメラ付きケータイは、独自の進化を遂げた。2002年はまだ11万画素カメラの端末が当たり前のようにあったのに、2003年には100万画素を超え、メガピクセル時代になるのだ。デジタルカメラのブランドを冠したモデルも登場した。 - iモード全盛期からスマホアプリまで 20年のモバイルコンテンツと文化を振り返る
今から20年前の2001年といえば、携帯電話からインターネットサービスが利用できる「iモード」が普及し始めた頃だった。2006年頃からは、PCで人気となっていたSNSがモバイルの世界に入ってきた。その後、スマホが普及したことで、コンテンツ市場にもパラダイムシフトが起きた。 - ドコモの「FOMA」「iモード」が2026年3月31日に終了 3Gは停波
ドコモが、3G携帯サービスの「FOMA」と、インタネットサービス「iモード」を2026年3月31日に終了する。同日に3Gを停波する。FOMAの音声プランとiモードは、2019年9月30日に新規申し込み受け付けを終了した。 - ドコモ、iモードケータイの出荷を2016年内に終了へ 以後は“在庫限り”
NTTドコモの「iモード」に対応する携帯電話が、2016年12月までをめどに出荷を終了することになった。ただし、iモード対応のらくらくホンについては当面の間出荷を継続する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.