総務省、利用者アンケート結果から「新料金プランで年間約4300億円の国民負担を軽減」
総務省が、MNO/MVNO各社の競争ルールを検証する審議会の資料を公開した。資料では「新料金プランで年間約4300億円の国民負担を軽減」したと述べており、4908人を対象としたアンケート結果を基に試算した結果だという。試算方法や、今後各省庁が取り組む課題も公開している。
総務省、7月9日に開催した審議会「競争ルールの検証に関するWG(第22回)」において、「試算で年間約4300億円の国民負担を軽減した」と発表した。
大手キャリア3社がオンライン限定の中容量、低価格プランの提供を相次いで始め、MVNO各社も小容量で低価格なプランの提供を進めている。各社実績をもとにした5月末時点での合計契約数は約1570万件にのぼるという。
総務省が6月に4908人を対象に実施したアンケートで、これらの新料金プランには「すでに乗り換えている」(9.5%)「今後乗り換えたいと考えている」(12.8%)と回答があった。この結果と新料金プランの契約数に加え、旧料金プランの平均月額料金と新料金プランの平均月額料金との減り幅を用いて試算した結果が、「年間約4300億円の負担軽減」だとしている。
同アンケートの「すでに乗り換えている」と回答した465人の乗り換え元のキャリアとプランは、乗り換え先と同じ事業者が提供する別プランが多かった。一方で大手キャリアから楽天モバイルに乗り換えるユーザーの割合が多く、多い順にソフトバンクから(5%)、auから(4.8%)、ドコモから(3.9%)となった。
今後も市場の確認や検証を続けるとともに販売代理店での契約時の説明方法を整備し、MVNO向けの卸料金の適正化、消費者向けの情報提供や不当表示の監視を行うという。
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