「明確な理由がない限りNGを出さない」 ネットプロテクションズの“後払い決済”戦略(1/3 ページ)
後払い決済サービス「NP後払い」などを提供するネットプロテクションズが、国内外の後払い決済サービスの現状について説明。日本と海外では決済方法に対する考えの違いがあると説明しつつ、同社がサービス水準を向上させるための取り組みや業界の今後についても言及した。
後払い決済サービス「NP後払い」などを提供するネットプロテクションズが、BNPL(Buy Now, Pay Later=後払い決済)サービスの日本や世界での現状をメディア向けに説明した。BNPLは、「クレジットカードに代わる支払い方法」として世界的に利用が拡大しているが、後払いにおける「日本と世界の違い」もあるという。
2021年度に国内1兆円、世界100兆円超を見込む後払い決済市場
BNPLの先駆けとなったのは、実はネットプロテクションズが「世界初ではないか」(同社シニアコミュニケーションデザイナーの高田祥平氏)という。同社が後払いサービスを開始したのが2002年。海外の主要プレイヤーでは、最大手のスウェーデンKlarnaが2005年創業なので、それよりも3年早い。もともと日本ではカタログ通販などがあり、後払いの下地があったことも影響しているだろう。
「紙の請求書」を使うという文化もグローバル的には珍しく、「日本以外だとスウェーデンとドイツぐらい」と高田氏。同社やKlarnaもそうした背景から生まれたサービスといえる。その後、米国や豪州などでも後払いサービスが生まれたが、スマートフォンを使うことでサービスを実現しているため、登場時期はここ10年内の企業が多い。
国内の後払い決済市場は、2020年度で8820億円規模になる見込みで、21年度には1兆円を突破すると見込まれている。24年度には1兆8800億円まで拡大することが想定されており、順調に拡大している。グローバルでは、「100兆円規模になるといわれている」(同氏)という。ソフトバンクグループが出資したことでも話題になったKlarnaは取扱高3兆7000億円、ユーザー数は8500万人超であり、時価総額は4兆5000億円にも達している。
豪州発のAfterpayは取扱高9091億円、ユーザー数は8990万人超、時価総額は3兆4000億円、米Affirmは取扱高4907億円、ユーザー数620万人超、時価総額2兆9000億円(いずれもネットプロテクションズ調べ)となっている。ちなみにネットプロテクションズは取扱高4300億円、ユーザー数は1580万人超だという。
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