「Xperia 1 III」を1カ月間使って感じた「魅力」と「不満」(2/2 ページ)
ドコモ版「Xperia 1 III」(SO-51B)を発売日の7月9日に手に入れてから、1カ月使い続けてみた。独立したシャッターボタンと独自アプリを使ったカメラ機能は魅力で、UVC規格を使えば外部ディスプレイやデジカメとも接続できる。
Xperia 1 IIIのココが不満
いくつか気になった点はある。Xperia 1 IIIは、今となっては唯一の3大キャリア共通端末。そうなると、各社のネットワークに対応しているはず――なのだが、伝統的(?)にXperiaは、各社のネットワークに最適化されてキャリアに納入されている。つまるところ、キャリアごとに対応バンドが異なるのだ。
国内の5Gではn77(au、ソフトバンク)とn79(ドコモ)、4Gではバンド18/26(au)、19(ドコモ)、8(ソフトバンク)、11(au、ソフトバンク)、21(ドコモ)があるが、Xperia 1 IIIでは他キャリアのバンドに対応していない場合がある。
筆者の持つドコモ版Xperia 1 IIIは、auやソフトバンクのSIMで使うとn77エリアで5G通信ができず、4Gもauのバンド11、18/26とソフトバンクのバンド8に対応していない。ドコモとソフトバンクに納入されているシャープ製「AQUOS R6」は、どちらかのキャリアが非対応のバンドにも一部は対応している。もちろん、「iPhone」シリーズは1種類で全キャリアをサポートする。
これはXperiaシリーズに限った話ではないのだが、いずれにしても、ドコモ版で買ったからにはドコモのネットワークで使うのがベスト、というのがXperia 1 III。ちょっともったいない点だ。
シングルSIMというのもいただけない。iPhoneのように、デュアルSIMでeSIM対応、というのが現状のスマートフォンの最適解だろう。
カメラを使っていての欠点としては、4K(3840×1644ピクセル)という高解像度ディスプレイを搭載したせいか、直射日光下で画面が見えにくかった点が上げられる。高解像度化すると開口率が低下するため、最大輝度にしてもそれほど明るくならないこと。画面がほとんど見えないときもあった。
デジカメのライブビューではよくあることだが、同時に使っていた別のスマートフォンでは最大輝度にして画面が確認できたことを考えると、残念な点ではある。デジカメのように、手でひさしを作って影にして対処するのが手間ではある。
発熱に関しても気になるところ。ケースを装着していると手に伝わる熱量はさほどでもないが、ケースを外してみると思ったより熱くなっていることがあった。ただ、頻繁にあるわけではなく、ケースを装着している限りはそれほど気にはならなかったし、その結果の問題もあまり感じていない。
発熱量の多さは、バッテリー駆動時間の短さにもつながっている印象がある。頻繁に使っていると、1日は持たないだろう。使わずに放置していたときのバッテリー消費も気になった。
Snapdragon 888を搭載しているスマートフォンに共通して困る点が、炎天下でカメラを起動していると、発熱によってしばしば終了すること。Xperia 1 IIIに限った話ではないので、Snapdragon 888の発熱量が大きいものと思われる。Snapdragon 888以外でも発生することはあるが、頻度は高いイメージがある。
カメラという意味では、AFは高速で人間や動物などを幅広く検出してくれるのだが、ジャスピンでない写真もけっこうあって、AF精度が少し低い点が気にかかった。
大きな不具合らしきものは感じていないので、基本的には快適に使えている。「全部入りのXperia」として満点とは言えないが、満足できる製品だ。
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