ソフトバンクケータイを振り返る シャープの名機が多数も、iPhoneの登場で運命が変わる(2/3 ページ)
ITmedia Mobileの20年を振り返る企画として、国内キャリアが2001年から2020年に発売した主要な「ケータイ」「スマートフォン」をピックアップしてまとめた。第3回ではソフトバンクの歴史を、2006年に立ち上げたソフトバンクモバイルから2014年のY!mobile設立まで、さまざまな企業との合併や「写メール」の元祖ともいえる端末の歴史をたどる。
個性的なシャープ端末が多数登場
2005年夏モデルのシャープ「904SH」は、ディスプレイ側が180度反転する「Swivel Style」を採用し、光学2倍ズーム機能付き320万画素カメラを搭載した高いスペックを売りにした端末だ。2006年の「905SH」はディスプレイが90度傾いて横長画面にできる「サイクロイド型」ボディーを採用した、ワンセグ視聴に適した初代「AQUOSケータイ」だ。
2007年には、カラーバリエーションが20色という“予想外”の多色展開が話題となったPANTONEケータイ「812SH」、ステンレスを使った上質感あふれるスリムボディーが特徴の「THE PREMIUM 820SH/821SH」も多くのカラーバリエーションを用意した。
2008年にはタッチパネルを搭載したスライド型「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」、2009年には1000万画素CCDカメラを搭載する「AQUOS SHOT 933SH」など、ソフトバンクから数多くの人気端末を登場させた。ディスプレイやカメラにこだわったハイスペックなものから、PANTONEケータイのようにシンプルなものまで、ソフトバンクの端末ラインアップを支えていた。
もちろんシャープ以外にも、東芝、NEC、パナソニックなどがソフトバンク向け端末を開発している。「930SC OMNIA」など感圧式タッチパネルを搭載したサムスン電子製端末も扱っていた。なお、OMNIAは海外ではWindows Mobileを搭載していたスマートフォンだった。
2008年に日本の携帯電話会社として初めてiPhone(iPhone 3G)の取り扱いを始めると、ケータイは徐々にシンプルな折りたたみケータイを出すのみとなった。Android OSを採用し、4Gに対応したケータイ「AQUOSケータイ」「DIGNOケータイ」「かんたん携帯」が、2015年から1年に1台程度のペースで発売されている。
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