ドコモのスマートフォンを振り返る 日本最初のXperiaとGalaxyから独自モデルまで:ITmedia Mobile 20周年特別企画(3/4 ページ)
ITmedia Mobile 20周年を記念したケータイ史を振り返る企画。今回はドコモのスマートフォンを振り返る。「フィーチャーフォンはすでにスマホだ」という意見もありながら、2005年に登場したMotorola「M1000」から現代のスマホまでを振り返る。
iPhone取り扱いへ
この頃になると、ドコモがいつAppleのiPhoneを取り扱うかが注目を集めるようになる。番号ポータビリティ(MNP)の利用実績で、iPhoneを扱っているKDDI、ソフトバンクモバイルが転入超過の一方、ドコモが転出超過となることもあった。
ドコモがiPhoneを取り扱い始めたのは、2013年9月発売の「iPhone 5s」からだが、それまでには子ども向けも含めさまざまなタイプのAndroidスマートフォンが多数販売された。直前の2013年夏モデルでは、「ドコモのツートップ」として、「GALAXY S4 SC-04E」と「Xperia A SO-04E」の2機種を押し出し、割引などを優遇した。
2013年春モデルとして発表された、折りたたみボディーの2画面モデル「MEDIAS W N-05E」。山折りでたたむ独特のデザインは「バックフォールド」形状と名付けられた。Mobile World Congress(MWC)2013でさまざまなメーカーの担当者がブースに立ち寄り、注目していたのを記憶している。
ディスプレイの狭額縁化が進む
2010年代半ばからは、ディスプレイやカメラの進化が目立つ。それらと並行してCPUも進化し、OSのバージョンアップも相まってスマートフォンはどんどん洗練されていった。
ディスプレイの進化は大型化や高解像度化に加え、狭額縁化、有機ELディスプレイ採用の増加、縦長化などがある。初期のスマートフォンはほとんどアスペクト比が16:9だったが、2017年に「Galaxy S8」「Galaxy S8+」が18.5:9のディスプレイを採用。縦長ディスプレイは持ちやすさを維持したまま表示エリアが広くなり、画面を分割して2つのアプリを表示しても見やすい。これ以降、各社とも縦長ディスプレイを搭載していく。Xperiaシリーズのディスプレイは今や21:9だ。
狭額縁化で印象深いのはシャープの3辺狭額縁「EDGEST(エッジスト)」スタイル。ただ、あまりに額縁が薄いためインカメラを上部に配置できず、下部にあったのは不評だった。EDGESTスタイルはいったん停止されるが、IGZOフリーフォームディスプレイによって、ディスプレイにノッチを作り、インカメラを上部に配置することが可能に。2017年の「AQUOS R compact」でEDGESTスタイルが復活した。
当初から有機ELディスプレイを採用していたGalaxyシリーズでは、「GALAXY Note Edge SC-01G」(2014年)でディスプレイ右側面が曲がっている「エッジスクリーン」を搭載。「Galaxy S6 edge」(2015年)では左右の側面が曲面になり、以降、スマートフォンのフレームレス化が進んだ。現在ではディスプレイそのものを折りたたむフォルダブルにまで進化している。
2016年から複眼カメラ搭載スマホが登場
複数のカメラが一般的になったのは2016年くらいだ。HuaweiのSIMロックフリースマホ「P9」や「iPhone 7 Plus」などが2つのカメラを搭載した。LGエレクトロニクスの「V20 PRO L-01J」(2017年)は、標準と広角2つのカメラを搭載していた。カメラの数は増え続け、今や4つ搭載していても驚かない状態になっている。メーカーのこだわりや端末のレンジによって、超広角、望遠、モノクロ、マクロ、深度センサーなどから工夫して組み合わされているのが面白い。
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