いよいよ競争が本格化 2021年に登場した「5Gホームルーター」を振り返る:5分で知るモバイルデータ通信活用術(2/3 ページ)
2021年は、ワイヤレスホームルーターがとても盛り上がった1年でした。ある意味で「5Gホームルーター元年」となったこの年を改めて振り返っていきましょう。
KDDIグループのホームルーターは「au」と「UQ」で異なる仕様に
auとUQコミュニケーションズ(以下「UQ」)は、今まで「WiMAX 2+」や「au 4G LTE」に対応するホームルーターを積極的に発売してきました。座組みとしては、ルーター本体の発売元はauで、回線はauとUQが相互に貸し出し合っているという構図で、これは「WiMAX+5G」「au 5G」でも同様です。
販売する機種はもちろんですが、サービスの提供条件も「海外ローミング対応」「(ハイスピード)プラスエリアモードの月間容量超過時のチャージ対応」の有無など細かい部分を除けば基本的に共通しています(※3)。
(※3)auを除くUQのMVNOでは、UQにはないプランが用意されていることがあります(参考記事)
WiMAX 2+では、ホームルーター向けのプランでも利用する場所の制限は特にありません。WiMAX+5Gでも、UQはこの点において同様です。ところが、auのホームルーターは、最終的に利用できる場所に制限を設けることになります。
当初、auの「ホームルータープラン 5G」にはこのような制限を設ける予定はなく、対応端末(Speed Wi-Fi HOME 5G L11)もauとUQで同時発売される予定でした。しかし、auはL11の発売日を延期し、同プランの提供も延期されてしまいました。
延期後の発売予定日は「7月中旬以降」となり、最終的には8月6日まで延期されることになります。8月6日、L11の発売と同時にホームルータープラン 5Gの提供も始まりましたが、以下の通り提供条件が変わっています。
- 定期(2年)契約の設定を廃止
- 月額料金を5458円から5170円に値下げ
- プラスエリアモードを無料で使えるように変更
- プラスエリアモードの月間通信容量を15GBから30GBに変更
- 届け出住所以外での利用を禁止
UQがL11を予定通りに発売した一方で、auが発売を延期した背景にはドコモのhome 5Gに対抗をせざるを得なくなったことがあると思われます。月額料金を始めとする価格設定や提供条件を考え直すのに、ある程度の時間が必要だったのでしょう。
改めて発表されたホームルータープラン 5Gに届け出住所以外での利用を禁止する条件が課されたことは、「home 5Gへの対抗で遅れた」ということの裏付けの1つでしょう。これで、home 5Gと同様に法令による利益提供の制限の対象外になりますから……。
関連記事
- ドコモが固定回線代わりの「home 5G」を発表 “モバイル”できないことで生じうる問題とは?
NTTドコモが8月下旬以降に、5G/4G(LTE)回線を使った据え置きワイヤレス通信サービスを開始します。“据え置き”ゆえに、従来のモバイルルーターとは提供条件が異なる面もあります。 - 「WiMAX +5G」の料金プランはどのサービスがお得? UQとau、主要MVNOで比較する
「今までは普通にインターネットが使えたのに、最近は速度が遅い」――そう感じているユーザーは多いだろう。光回線のタイプを変えたくても変えられない、工事は避けたいと考えている人向けに、ホームルーターを紹介する。 - 持ち運べる喜びを――ホームルーターをUQ WiMAX+5Gとpovo2.0で使ってみた
大手キャリアが相次いでリリースした5G対応のホーム(ワイヤレス)インターネットサービスは、利用できる場所に制限が掛かっています。一方で、UQコミュニケーションズの「WiMAX+5G」には設置場所制限がありません。持ち運んで使うついでに、povo2.0でも使ってみることにしました。【訂正】 - 「家で使う」5Gルーターを選ぶポイントは? UQ、au、ドコモのサービスを比較
NTTドコモが「home 5G」をリリースしたことで、5G通信に対応するワイヤレスホームルーターに注目が集まっています。UQコミュニケーションズ、au、ドコモのサービスを簡単に比較してみましょう。 - ドコモが固定回線代わりの「home 5G」を発表 “モバイル”できないことで生じうる問題とは?
NTTドコモが8月下旬以降に、5G/4G(LTE)回線を使った据え置きワイヤレス通信サービスを開始します。“据え置き”ゆえに、従来のモバイルルーターとは提供条件が異なる面もあります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.