激安価格で生き残りを図る、Wikoの最新スマホがヨーロッパで売っていた:山根康宏の海外モバイル探訪記
10年くらい前まではヨーロッパの格安系スマホの代表としてAlcatel(アルカテル)と人気を二分していたWikoですが、今では中国メーカーの猛攻に合い新製品はほとんど出していません。2022年5月のドイツ取材時に家電量販店を訪れたところ、Wikoの最新モデルを見ることができました。
10年くらい前まではヨーロッパの格安系スマホの代表としてAlcatel(アルカテル)と人気を二分していたWiko(ウイコウ)ですが、今では中国メーカーの猛攻に合い新製品はほとんど出していません。日本からも撤退してしまいその名前を覚えている人も少なくなっているでしょう。2022年5月のドイツ取材時に家電量販店を訪れたところ、Wikoの最新モデルを見ることができました。
Wikoの最新モデルである「Y82」は2021年1月に発売されました。既に半年たっているにもかかわらず次の新製品が出てこないあたり、Wikoの苦しい状況が見えてきます。ちなみに2021年はバッテリー性能を売りにした「POWER U」シリーズをアピールしていたようですが、そちらも2022年は新製品が出ていません。Y82は6.1型(720×1560ピクセル)ディスプレイを搭載し、プロセッサはUNISOCのSC9863でメモリ3GB、ストレージ32GB。バッテリーは3600mAhと容量は少なく、中国メーカーの低価格機と比べるとどうしても見劣りしてしまいます。
価格は99.99ユーロ、約1万4000円です。4Gモデルでスペックを考えると妥当なところでしょうか。本体は樹脂製で価格相応といった出来栄え。これまでWikoのスマートフォンを使ってきたユーザーの買い替えとしてはありかもしれませんが、やはりXiaomiのRedmiなどと比べてしまうと、そちらを選ぶ消費者が多いかもしれません。
なおヘッドフォン端子を備えているのは低価格機としては当然のことでしょうか。本体を持ってみると若干角ばったデザインのため握りやすく、181gという重さも悪くはありません。ただし全体の動きは画面の高速スクロール時などに若干緩慢だったりと、エントリーモデルならではの限界を感じます。
カメラは1300万画素のみという思い切った設計。フロントカメラは500万画素です。同じ価格帯のXiaomiのRedmiも同様の構成で、価格を下げることを追及するとシングルカメラになるのは仕方ないところです。
カメラを起動すると「写真」「動画」のみとこれまたシンプル。倍率変更もありません。エントリーモデルなら当然といったところでしょうが、このY82がWikoの最新モデルであり、おそらく現在売っている同社の製品の中で最上位の製品なのです。過去には暗所に強いカメラやディスプレイに特徴のある製品を出していましたが、もはやWikoは完全に価格だけを重視した製品を出すメーカーとなってしまいました。
中国メーカーが次々と低価格機も出していく中で、Wikoは生き残っていけるのでしょうか? Y82を見ると、次のモデルは出てこないのではないかと心配になってしまいました。
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