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「Pixel 6a」先行レビュー 手頃な価格だけでない魅力をチェック!(2/3 ページ)

Googleが7月28日に発売する「Pixel 6a」。Pixel 6の廉価版という位置付けだが、一部の機能をカットしつつ、基本スペックはPixel 6のそれをキープしていることが特徴だ。今回、発売に先駆けて試用する機会に恵まれたので、どんなスマホなのか簡単に紹介したいと思う。

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Pixel 6と比べてみよう

 Pixel 6aは、サイズ的にはPixel 6に近い。具体的な寸法と重量は以下の通りだ。

  • Pixel 6:約74.8(幅)×158.6(高さ)×8.9(厚さ)mm、約207g
  • Pixel 6a:約71.8(幅)×152.2(高さ)×8.9(厚さ)mm、約178g

 こうして見ると分かるが、Pixel 6aは最近のPixelスマートフォンの中ではよりコンパクトである。アウトカメラ周辺部の出っ張りが小さいことも手伝って、その印象はより強まる。そこそこスペックの高い、大きすぎないAndroidスマホが欲しいなら、良い選択肢に入ることは間違いない。

 Pixel 6やPixel 6 Proの“出っ張り”が気になる人にとっては、Pixel 6aはある意味で“福音”かもしれない。

並べた図
Pixel 6(左)とPixel 6a(右)を並べてみる。「たかが6.4mm、されど6.4mm」ということで、Pixel 6aがとてもコンパクトに見えてしまう
厚さ
公称の厚さは両機種共に約8.9mmなのだが、これは最薄部の数値である。Pixel 6シリーズの特徴であるアウトカメラの“出っ張り”に目を向けると、Pixel 6aはわずかに出っぱっている程度。このことも、Pixel 6と比べた際に「コンパクトだ」と感じてしまう要因といえる

 冒頭でも触れた通り、Pixel 6aは上位モデルのキーとなる機能は堅持している。一方で、コストを抑えるために削減された機能もある。何を「保ち」、何を「省いたり削ったりした」のか、簡単にチェックしていこう。

プロセッサ/メインメモリ/内蔵ストレージ

 プロセッサは、Pixel 6やPixel 6 Proと同じ「Gooogle Tensorプロセッサ」だ。CPU部分は8コア(2+2+4)構成で、うち2コアはArmにおける最新アーキテクチャである「Cortex-X1」を採用する。GPUコアは20基構成だ。機械学習処理用の「TPU(Tensor Processing Unit)」やカメラの映像を処理する「ISP(Image Signal Processor)」も備えている。

 メインメモリは、LPDDR5規格であることに変わりないが、容量が8GBから6GBに削減されている。「わずか2GBの差」と思うかもしれないが、メモリを大きく消費するアプリを起動すると、バックグラウンドで動作するアプリが終了しやすくなる。アプリの切り替えの際に「終了したつもりじゃないのに終了してしまった……」という事象が発生しやすくなることは間違いない。

 内蔵ストレージも、UFS 3.1規格で変わりないのだが、容量が128GBのみとなる。伝統的に、PixelシリーズはmicroSDメモリーカードに対応しない。オフラインでも利用できるデータ保存先は内蔵ストレージ“のみ”が頼りとなる(※1)。

(※1)USB端子にUSBマスストレージクラスに準拠したUSBメモリ/HDD/SSDは装着できる(消費電力やファイルシステムの都合で使えない場合もあり)

 筆者は写真や動画のデータを積極的にクラウド(オンラインストレージ)やPCに保存しているため、128GBもあれば基本的には十分だと考えている。しかし、最近はスマホアプリ(特にゲームアプリ)の容量は大きくなる傾向にある上、オフライン保存できる動画や音楽のデータも存外に容量が大きい。

 Pixel 6やPixel 6aの128GBモデルも同様の悩みを抱えがちなのだが、こちらには256GBモデルも用意されている。より大きなストレージを確保する選択肢のないPixel 6aは、使い方によっては不便になるかもしれない。

108GB
システムの状況にもよるが、128GBのストレージのうちユーザーが自由に使えるのは多くても110GB程度となる

ディスプレイ

 Pixel 6もPixel 6aも、ディスプレイはHDR(ハイダイナミックレンジ)表示に対応する1080×2400ピクセルの有機EL(OLED)パネルを採用している。画面内に指紋センサーを備えるのも同様だ。ただし、サイズやスペックが異なる。

 Pixel 6のパネルは約6.4型で、最大リフレッシュレートは90Hzである。高フレームレート表示に対応するWebブラウザやゲームアプリであれば、スクロールや画面表示がよりスムーズに行える。画面ガラスは、耐傷性に加えて耐落下性能も高めた「Corning Golilla Glass Victus」となっている。

 それに対し、Pixel 6aのパネルは約6.1型で、最大リフレッシュレートは60Hzとなっている。TVや一般的なPC用ディスプレイのパネルと同じレートなので違和感を覚えることはないだろう。ただ、高フレームレート対応のスマホに触れたことがある人は「あれ、ちょっとカクカクしているような……」と思ってしまうかもしれない。画面ガラスは耐傷性に定評のある「Corning Gorilla Glass 3」となっている。

 ある意味で、Pixel 6aのディスプレイは「多くの人にとって必要十分」なスペックを選んだといえる。

ディスプレイ
ディスプレイは有機ELでHDR表示も可能だが、最大リフレッシュレートなどを抑えたものとなっている

カメラ

 Pixel 6のアウトカメラは、メインの広角カメラが約5000万画素(F1.85/画角85度)、サブの超広角カメラが約1200万画素(F2.2/画角114度)のデュアル(2眼)構成で、暗所でのオートフォーカス(AF)精度を高めるレーザーセンサーも備えている。

 それに対して、Pixel 6aのアウトカメラは、サブの超広角カメラはPixel 6と同一スペックなのだが、メインの広角カメラが約1200万画素(F1.7/画角77度)に変更された上、レーザーセンサーが省かれている。広角カメラのスペックを落とし、レーザーセンサーを省くことでコストを削減しているということになる。

 ただし、「消しゴムマジック」「リアルトーン」「夜景モード」など、Pixel 6で利用できる主要な撮影モードは、Pixel 6aでも同様に利用できる。4K/60fpsでの動画撮影もこなせる。

 筆者的には、広角カメラのスペックが抑制されたことでアウトカメラ回りの出っ張りが少なくなったことが非常にありがたい。「画素数やレーザーAFよりも、出っ張りの少なさを重視したい」と考えるなら、Pixel 6aを積極的に選ぶべきだろう。

 ちなみに、インカメラはPixel 6とPixel 6aで同一スペック(約800万画素センサー、F2.4/画角84度)となっている

アウトカメラ
広角(メイン)カメラのスペックを抑え、レーザーセンサーなどを省くことでコストダウンを図っている。このコストダウンは、カメラ周辺部の出っ張りを減らす副次的効果を生んでいる

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