iPhone 14か、iPhone 14 Proか 実機をじっくり使って分かった“買いの結論”(3/4 ページ)
9月16日に発売される「iPhone 14」「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」をレビュー。前面デザインが大きく変わり、新たに「ダイナミックアイランド」を搭載したiPhone 14 Proの使用感は? マイナーチェンジにとどまったiPhone 14はどんな人に勧められる?
暗所撮影や2倍ズームの性能が大きく向上したProモデル
もう1つ、Proモデルだけに搭載されているのが、4800万画素のメインカメラだ。画素数が大きいのは、サイズの大きな写真を撮るためではなく、主に光をより多く取り込むため。センサーはピクセルビニングに対応しており、4つの画素を1つにすることで、ピクセルサイズを上げることが可能だ。この点は、先行して高画素センサーを採用していた他のスマートフォンと同じ。iPhone 14 Proや14 Pro Maxでも、標準では1200万画素の写真が記録される。
そのため、Proモデル2機種は、これまでのどのiPhoneと比べても暗所での撮影性能が高い。ちょっとやそっとの暗さではナイトモードにならない上に、暗い場所で人物を撮っても、肌の階調がきれいに表現されている。同じシチュエーションでiPhone 13 Proを使って撮った写真と比べると、クオリティーの差が分かりやすい。暗所での撮影は、センサーの違いが如実に出る場面だ。
【訂正:2022年9月16日13時20分 初出時、「上は肌が平たんで色を塗ったようにも見えるが、下は階調表現も自然だ」としていましたが、正しくは「下は肌が平たんで色を塗ったようにも見えるが、上は階調表現も自然だ」です。おわびして訂正いたします。】
センサーだけでなく、iPhone 14シリーズに共通で搭載された「フォトニックエンジン」も、暗所時の撮影性能を向上させている。以下の写真は、同じシチュエーションでiPhone 14を使って撮影したもの。センサーのピクセルサイズはiPhone 13 ProとiPhone 14で変わっていないが、仕上がりはiPhone 14の方が自然だ。画像処理エンジンに改善を加え、RAWデータで処理を加えたことで仕上がりがよくなったというわけだ。
4800万画素を採用したメリットは、他にもある。ズームがそれだ。広角カメラからメインカメラへと呼び名が変わったことからも分かるように、4800万画素のカメラは24mmと48mmという2つの画角を担当する。2倍のボタンをタップした際には、画素にリモザイクがかかり、センサーの中央部分を使って1200万画素相当の写真が撮影される。もとが高画素のため、1200万画素を切り出すなら画質が劣化しないというわけだ。以下の写真を見比べてみると、2倍ズームでも精細な写真が撮れていることが分かる。
また、ProRAWモードをオンにすると、4800万画素を丸々使って、サイズの大きな写真を撮ることが可能だ。ディテールまでしっかり描写されるため、後から一部分を拡大して使うようなときに便利だ。ただし、4800万画素で撮影するときにはピクセルビニングが行われないため、暗い場所での撮影には向かない。当然ながら画像のデータサイズが大きくなり、連写もできない。4800万画素で撮る設定がProRAWにしかないのは、こうした特性を分かっている詳しい人向けだからだろう。
4800万画素をフルに使って撮ったProRAWの写真をJPEGで現像、出力した。人の肌のディテールや、洋服の質感まではっきり表現されている。ただし、現像前の元画像は1枚で約70MBと、非常にデータが大きい
動画機能は、iPhone 14シリーズ全体で向上している。中でも注目したいのは、「アクションモード」。あたかもiPhoneをジンバルに装着したかのように、動きながらでもブレの少ない映像を撮ることができる。4Kの映像から一部を切り出しつつ、機械学習で平衡を保つことで実現しているという。以下の動画は、いずれもiPhone 14 Proで撮影したもの。アクションモードがオンのときは、筆者のステップとともに周囲が揺れているが、オンにするとあたかもレールの上を水平に移動しているかのような映像になる。
iPhone 13シリーズで初めて対応したシネマティックモードも、解像度が4Kに対応した。iPhone 13シリーズではフルHDまでで、4Kのテレビなどで流そうとすると、やや粗が目立っていた。後から一部分を拡大して使うことを考えても、フルHDより4Kで撮れた方がいい。ボケを効果的に使えるため、工夫次第で本格的な映像を作り出すことができそうだ。
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