iPhoneバイヤーズガイド(2022年9月最新版):iPhone 14、13、12、SEのどれを選ぶ?(2/5 ページ)
iPhone 14 Pro MaxからiPhone SEまで、iPhoneのラインアップの裾野は広い。最新のiPhone 14世代から2世代前のiPhone 12からまで、多様なiPhoneの選び方の“コツ”をまとめた
カメラ性能が大幅強化のiPhone 14 Pro/Pro Max
iPhoneは最新のフラグシップモデルを選びたいというヘビーユーザーなら、iPhone 14 ProやiPhone 14 Pro Maxが最適解になるだろう。iPhone 14シリーズでは、“Pro”モデルのみが新設計のプロセッサであるA16 Bionicを搭載する。
iPhone 14 Pro/Pro Maxが、性能を求めるパワーユーザー向きであることは間違いないが、カメラ性能を重視する人にも候補になるだろう。以下ではやや細かくなるが、カメラを中心にiPhone 14 Pro/Pro Maxの特徴を紹介する。
iPhone 11 Pro以降、“Pro”モデルの背面カメラは広角、望遠、超広角というトリプルカメラ構成となっている。14 Pro/Pro Maxでは、このうち最も良く利用される広角レンズが刷新されている。具体的には、従来の4倍相当となる4800万画素(48MP)のセンサーへの変更が実施された。この高画素センサーは4画素を1つの大きな1画素として扱う、「ピクセルビニング」と呼ばれる技術によって、暗い場所での撮影性能が大きく向上している。また、2倍ズームの利用時も、切り出しズームによって画質の劣化を抑えている。
Proモデル限定の機能もカメラ関連のものが多く、RAW撮影モードの「Pro RAW」に対応する。さらにProモデルではLiDARスキャナーを搭載し、より精緻なポートレート写真を撮影できるほか、精度の高い3Dスキャナーとしても利用できる。
外観のデザインはiPhone 13 Pro/Pro Maxを踏襲しているが、ディスプレイ上部のノッチ(切り欠き)が小型化し、2つの“穴”の形状に分離された。この穴を活用した「ダイナミックアイランド」という新たな表示システムが取り入れられており、バックグラウンドで動作しているアプリの稼働状況などを分かりやすいアニメーションで表示できるようになった。さらに、ディスプレイをオフの状態で時計などを表示する「常時点灯ディスプレイ」も、iPhone 14 Pro/Pro Max限定で追加された。
ディスプレイは従来の“Pro”モデルに準じて、120Hzの可変リフレッシュレート表示をサポートしている。これは、フリック操作が多いSNSやブラウザなどの利用時に滑らかな表示を行うものだ。また、14 Pro/Pro Maxでは従来機より明るいディスプレイを搭載しており、HDR表示のピーク輝度が1600ニトに向上。日中の屋外では最大2000ニトでの表示に対応するなど、日差しが差す中でも見やすく表示できるようになった。
その他、iPhone 14 Pro/Pro Maxでは、位置測位機能で2周波GNSSをサポートした。都会のビル街のような障害物が多い屋外で現在地を正確に把握できるようになっている。
iPhone 14 Pro/Pro Maxで追加された新機能は、iPhoneの使い勝手を大きく変えるものではないが、日常での利用で少し使いやすくなるような手堅い改善といえる。大きな進化があったカメラについても、これまでの使用感を踏襲しつつ、暗所などでの性能を改善した内容だ。ネックとなる重さや価格などを許容できるなら、有力な買い替えの選択肢となるだろう。
なお、“Pro”モデルを含めiPhone 14シリーズは外部端子としてLightningポートを採用している。通信規格としてはUSB 2.0相当(最大480Mbps)で、4K動画やProRAWファイルなどの容量が大きいファイルを扱うProモデルとしては、有線通信の速度はやや物足りない。写真や動画の転送を考慮したとき、Macとの組み合わせならiCloudやAirDropによる無線転送を活用できるが、Windows PCとの相性はあまりよくないと言わざるを得ないだろう。
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