KDDIとサムスン電子、5G SAでサービス品質保証のネットワークスライシング実証に成功
KDDIとサムスン電子は、5G SAでSLA保証型スライシング実証の保証型のネットワークスライシングの商用基地局でのフィールド実証を実施。商用基地局での成功は世界初をうたう。
KDDIとサムスン電子は、1月20日に5G SAでサービス品質を保証する、SLA(Service Level Agreement)保証型ネットワークスライシングの商用基地局でのフィールド実証に成功した。
本実証ではO-RAN ALLIANCEで規定するRIC(RAN Intelligent Controller:RANの高度な制御を行うコントローラ)からの指示に基づき、通信環境の変化に応じて必要なリソースをリアルタイムに提供する仕組みを開発。RICを活用したSLA保証型ネットワークスライシング実証の商用基地局での成功は、世界初をうたう。
ユーザーのユースケースやアプリのニーズに応じた通信品質を提供するために必要だったSLA保証は、通信品質の上限は提示するものの保証はしないベストエフォートが一般的となっていた。高画質映像のライブ配信などを実現するため5G SAを活用した高速かつ低遅延な通信の安定提供が求められる中、5G SAでのSLA保証型のネットワークスライシングの実現が期待されている。
KDDIはRICを通して端末単位の通信品質を監視する機能や、要求品質に応じて無線リソースを制御する機能を追加。これにより、通信品質が変動する状況や通信要件が異なる複数のスライスが存在する商用環境下でも、各端末のSLA保証を実現する仕組みを実装したという。
両社は2024年度のネットワークスライシングの本格提供に向け、さまざまなパートナーと共に研究開発を進めるとしている。また、本実証内容は1月20日以降にO-RAN Global PlugFest 2022の専用サイトでも公開する。
関連記事
- KDDIとソニー、5G SA構成で複数ネットワークスライスの同時利用に成功
KDDIとソニーは、5G SA構成で複数ネットワークスライスを使い分けた同時通信に成功。ソニーのゲームアプリで安定したプレイを実現する環境構築を確認したという。 - KDDIが見据えるBeyond 5G/6G時代の世界 「先端技術」と「ライフスタイル」の両面で研究開発
ワイヤレスジャパン 2022の基調講演に、KDDI総合研究所 先端技術研究所所長の小西聡氏が登壇。ライフスタイルと先端技術の両軸で進めているKDDIのBeyond 5G/6Gに向けた研究開発について説明した。Beyond 5G/6Gの時代には、よりリアルとバーチャルが融合し、一人一人の生き方の追求と経済発展の両立が求められる。 - KDDIとソニーが「5G SA」の技術検証 デモで分かったゲーム体験の違い
KDDIとソニーは、次世代通信技術「5G SA」を活用したゲームストリーミング技術の実証実験を公開した。実証実験では、5G SAのPSリモートプレイに特化したスライス(仮想的な専用回線)を作成。混雑する5Gエリアでも、PS5/PS4のリモートプレイを快適に実施する様子を見られた。 - KDDI、5G SAでプレイステーションのゲームストリーミングと8K映像の配信に成功
KDDIとソニーは、5Gスタンドアローン環境でプレイステーションのゲームストリーミングとリアルタイムの8K映像配信の技術検証に成功。検証結果は「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2022」での活用を予定している。 - KDDIが「5G SA」商用化、AbemaTVの中継で活用 個人向けは22年夏以降
KDDIは2月21日、法人向けに5G SA(スタンドアロン)方式のモバイル通信サービスの提供を開始した。21日にAbemaTVで配信された番組で5G SAの商用ネットワークを活用した生配信を実施する。個人向けサービスは2022年夏以降をめどに提供予定としている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.