骨伝導ヘッドセット「OpenComm」を使ったら“世界が変わった” デメリットを超えた魅力とは?(1/2 ページ)
Shokz製骨伝導ヘッドセット「OpenComm」を購入したら、世界が変わった。製品の魅力と、苦手とするシーンに加え、そもそも骨伝導とはどういう仕組みなのかも紹介しよう。
2022年11月に、米国Shokz(旧Aftershokz、2021年にブランド名を変更)製骨伝導ワイヤレスヘッドセット「OpenComm」を購入した。以前から同製品を愛用している友人がおり、試してみたいと思っていた。
価格は公式ストアで2万2880円(税込み)で、PCと接続可能なドングルとのセット「OpenComm UC」が2万7880円(税込み)だ。OpenCommを既に持っているがPCでも使いたい、という需要向けにドングル単体でも6880円(税込み)で販売している。OpenComm自体は2020年に発売したもので、OpenComm UCが2022年発売の製品となる。
骨伝導ヘッドセットの魅力は、日常生活で起きる風の音や人の声といったさまざまな音の中にBGMをミックスできることにある。今回は本製品の使い心地を紹介するとともに、そもそも骨伝導スピーカーはどうして音が聞こえるのか、どういったシーンで有用なのかをお伝えしたい。
実は歴史が長い骨伝導スピーカー 骨の振動を直接聞く
骨伝導という仕組みについては、1985年にその技術開発のために生まれたテムコジャパンが詳しい。それによれば、もともと人間が聞く音には以下の2通りの音がある。
- 空気を伝わり、鼓膜を通して聞こえる音:気導音
- 骨を伝わり、直接内耳に伝わる音:骨導音
このうち気導音は、外から見える耳の部分「耳介」で集めた音が耳の穴に入り、鼓膜と耳小骨で増幅した振動を蝸牛(かぎゅう、うずまき管)のリンパ液に浮かぶ聴覚神経を揺らして音として認識する。
対して骨導音は、皮膚や骨を通して直接蝸牛が揺れて認識する音をいう。耳をふさいだときに声を出した場合と普段声を出して聞こえる音が違って聞こえるのは、気導音と骨導音が合わせて聞こえているか、骨導音だけが聞こえているかの違いがあるという。
冒頭でも述べた通り、骨伝導スピーカーは耳をふさがないため、周囲の音を同時に聞ける。さらに騒音の激しい場所では耳栓を使用することで、周囲の騒音に邪魔されない音声を聞ける。一方、耳栓を使用しない場合だと気導音に負けて骨導音が聞こえにくくなるため、これらが骨伝導スピーカーの長所であり短所といえる。
強すぎない装着感でしっかりフィットする本体
では、OpenComm本体の紹介に移ろう。製品はヘッドセット本体に加えUSB Type-Aから専用の端子に接続する充電ケーブル、専用ケースのセットだ。OpenComm UCの場合はこれにドングルが付属する。
装着は後頭部から耳に引っかける形で、適度な装着感でフィットする。筆者はこめかみ周囲の長さが70cm弱あり眼鏡もかけているが、これにマスクを追加で装着した上にOpenCommを装着しても6時間程度は耳に痛みを感じず活動できていた。
音をよく聞くためには、耳に装着する際のスピーカーの場所が重要だ。楕円形のスピーカーを耳の「耳珠」(じじゅ)、こめかみ側の突起部分に当てると音が聞きやすい。店舗で購入した際のスタッフによれば、正確な“スイートスポット”は人によるため、適宜スピーカーを上下に調整して最適な場所を探すといいそうだ。
ボタンはスピーカー部分に音楽の再生やスキップなどが可能なユーティリティーボタンと、充電部付近に音量の上下と電源を兼ねるボタンが2つ配置されている。電源は音量を上げるボタンを5秒間押し続けるとオン/オフが可能だ。ボタンはどれもクリック感があるため押し心地がいい。
充電は付属のUSB Type-Aアダプターで行う。専用のマグネット付き端子は上下が決まっていて、近づければ上下が分かる仕様だ。
マイクは装着する前に、前方へ跳ね上げるように展開する。音質は日常会話でなら聞きやすく良好で、クリアに聞こえる。
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