povo2.0をオススメできる人、できない人【2023年3月】:実は月20GBや25GBなら他社より安い、サブ回線にも最適:スマホ料金プランの選び方(1/2 ページ)
「povo2.0」は、基本料金が0円で、必要な分だけデータ容量を都度購入(トッピング)する特色のあるプランです。通信障害などに備えてサブ回線として契約する人が多いですが、実はデータ使用量が月20GBや月25GBなら大変お得です。ただし一般的な通信プランとは仕組みが異なり、管理が面倒な部分もあります。
2021年に開始したKDDIのオンライン専用プラン「povo2.0」は、基本料金が0円で、必要な分だけデータ容量を都度購入(トッピング)する特色のあるプランです。通信障害などに備えてサブ回線として契約する人が多いですが、実はデータ使用量が月20GBや月25GBなら大変お得です。
ただし一般的な通信プランとは仕組みが異なり、管理が面倒な部分もあります。今回はpovo2.0をオススメできる人、できない人を紹介します。記事中の料金は全て税込みです。
povo2.0は唯一無二の料金プラン
まず、povo2.0の料金プランを復習しましょう。povo2.0は基本料金0円のベースプランに、データ容量やオプションを都度追加(トッピング)する仕組みです。データトッピングは毎回好きな容量を選べますし、かけ放題のトッピングや、DAZN、smash.などのエンタメコンテンツが一定期間使い放題になるトッピングも用意されています。データトッピングをしない状態での通信速度は最大128kbpsなのでデータ通信はほぼ使えませんが、かけ放題だけトッピングし、通話専用回線にすることも可能です。
このようにpovo2.0は一般的なスマホの料金プランとは仕組みが異なるため、オススメの人やお得な活用方法も他キャリアとは大きく異なります。
povo2.0をオススメできる人
通信障害に備えたい人
povo2.0は基本料金が0円なので、通信障害などのトラブルを回避するためのサブ回線として使うのがオススメです。ビジネスなど大事な用途でスマホを使っている人は、万が一の際でも通話やデータ通信ができるようにあらかじめpovo2.0を契約しておくのもいいでしょう。
2022年7月にはKDDI網で大規模な通信障害が起こり、2日以上にわたって電波がつながりにくい状況が発生しました。他社でも小規模ながら通信障害が発生しています。このような場合に備えてpovo2.0を追加で契約しておけば、一方のSIM(KDDI以外の回線)が使えなくてももう一方(povo)に切り替えて通信を維持できます。いつ起きるか分からない障害に備えて毎月料金を支払うのはもったいなく感じますが、povo2.0なら基本料金0円で回線を維持でき、万が一のときだけ課金して使えます。
最近発売されたスマホの多くはnanoSIMとeSIMの「デュアルSIM」に対応しているため、現在使っているメインのSIMに加えてpovo2.0をスマホに入れておくことができます。iPhoneもiPhone XS/XR以降の機種ならnanoSIMとeSIMが同時に使えますし、AndroidスマホもデュアルSIM対応端末が増えてきました。
ただし、注意点が2つあります。まず、povo2.0と同じKDDIの回線網を使っているauやUQ mobileなどと組み合わせてしまうと通信障害に対応できません。povo2.0はドコモやソフトバンク回線のSIMか楽天モバイルのサブ回線として使いましょう。
また、povo2.0は180日以上有料のトッピングをしていない場合や、180日間の通話料とSMS送信料の合計額が660円未満の場合は利用が停止されます。少なくとも半年に1度は課金が必要なので注意してください。ただし、利用停止前には予告のメールやSMSが送られてくるので、そのメールが来てから課金すれば問題ありません。
月のデータ使用量が20GB〜25GBの人
povo2.0はメイン回線としても使えます。特に月のデータ使用量が20GB〜25GBの人にオススメです。
povo2.0には60GB(90日間)で6490円のデータトッピングが用意されていますが、これを30日=1カ月で換算すると20GBで月額2163円です。同じ20GBのahamo(月額2970円)やLINEMOのスマホプラン(月額2728円)よりお得です。
同じく150GB(180日間)で1万2980円のトッピングを30日=1カ月で換算すると25GBで月額2163円です。同じ月25GBのY!mobileのシンプルL(月額4158円)やUQ mobileのくりこしプラン +5GのプランL(月額3828円)より安いですね。Y!mobileとUQ mobileは家族割や光回線とのセット割を適用しても月額2970円なので、25GBならpovo2.0が断然お得です。
一度に60GBまたは150GBが追加されるので使いすぎないよう管理が必要ですが、月のデータ使用量が20GBや25GBの人はpovo2.0がお得でオススメです。
日ごとのデータ使用量の波が激しい人
povo2.0は日ごとのデータ使用量の波が激しい人にもオススメです。例えば「平日はテレワークで自宅のWi-Fiが使えるのでスマホのデータ容量はほとんど使わないが、休日は外出するのでたくさんデータを使う」といった人は、povo2.0なら使用量の波をうまく吸収できます。
povo2.0には24時間データが使い放題になるトッピングがあります。“24時間”とありますが、当面の間は期間満了日の23時59分59秒まで使えるので、例えば土曜日の0時00分にトッピングすれば日曜日の夜まで使い放題です。普段は3GB(30日間)をトッピングしておき、データをたくさん使う週末だけ24時間使い放題をトッピングすれば、もともと大容量プランを契約するよりお得になる場合があります。
例えばpovo2.0の20GB(30日間)のトッピングは2700円/回です。一方、普段は3GB(30日間)を使い、毎週末(月4回と仮定)は24時間使い放題のトッピングを使うと合計2310円で済みます。旅行や出張でデータをたくさん使う機会が多い人も同じやり方で波を吸収できます。
月末に通信制限がかかる人
他社を契約中で、月末に基本容量を使い切って通信制限がかかり、容量を追加購入することが多い人にもpovo2.0はオススメです。他社でデータを追加購入するより、povo2.0を併用しておき、容量が足りないときだけpovo2.0に切り替えてトッピングした方が安く済みます。
povo2.0なら1GBが390円、24時間データ使い放題が330円でトッピングできます。他社で容量を追加する場合はおおむね1GBで550円、ドコモ、au、ソフトバンクは1GBで1100円なので、通信制限がかかったときだけpovo2.0でトッピングした方がお得です。
ちなみにIIJmioのギガプランは220円で1GB追加できるものの、これとは別に基本料金がかかります。povo2.0は基本料金が0円なので、データが足りなくなったときだけ追加購入が可能です。
ギガ活対象店舗でよく買い物をする人
povo2.0には「ギガ活」という仕組みがあります。ギガ活とは、対象店舗でau PAYを使って買い物すると、povo2.0で使えるデータ容量が無料でもらえるサービスです。コンビニ、カフェ、牛丼チェーン店など対象店舗も多いので、対象店舗で買い物や食事をされる機会が多い人はpovo2.0がオススメです。
筆者もドトールコーヒーショップや、松屋、すき家といった牛丼チェーン店をよく利用するため、ギガ活で毎月合計3〜4GBのデータ容量を無料でもらっています。大手コンビニではローソンも対象ですし、ドラッグストアや居酒屋チェーンでももらえます。povo2.0は180日ごとに課金が必要なためずっと無料にはできませんが、データ通信量が少ない人はトッピングを購入しなくてもほとんどの容量をギガ活で賄えます。au PAYで支払うだけで対象となり、条件となる支払額も少ない(例えばローソンなら税込500円以上の購入で300MBがもらえる)のもうれしいですね。
なお、筆者は「povo2.0サポーター」というアプリでプロモコードの容量や有効期限を管理しています。公式のアプリではないため自己責任となりますが、ギガ活をする人には必須のアプリです。
povo2.0には他にもメリットがあります。povo2.0はauと同じ通信品質、同じ通信エリアなので、回線が混雑する昼や夕方でも通信速度が遅くなることはありません。契約事務手数料は無料で最低利用期間や違約金もないので、これまで契約したことがない人も気軽に試せるのが安心です。
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