「G'zOne TYPE-XX」1年使用レビュー スマホ全盛でもG'zOneケータイを手放せないワケ(1/2 ページ)
令和に復活したG'zOneケータイ「G'zOne TYPE-XX」。G'zOneブランド20周年記念モデルの4G LTEケータイだ。スマートフォン全盛の中でなぜ即買いしたのか。1年間使ってきて感じたことを述べたい。
熱いファンの声を受けて復活を果たしたG'zOneケータイ「G'zOne TYPE-XX」。G'zOneブランド20周年記念モデルの4G LTEケータイとして、2021年12月10日にauから発売された。
筆者は3G時代からG'zOneケータイユーザーで、メイン端末をスマートフォンにしても、ケータイの契約をそのまま残し続けて、通話用の端末として「G'zOne TYPE-X」(カシオ計算機/NECカシオ モバイルコミュニケーションズ開発)を使い続けていた。なぜか? それは折りたたみ端末では実現が難しいとされる堅牢(けんろう)性を備え、他とは違うデザイン性を兼ね備えているからだ。これがG'zOneを使い続ける理由でもある。正直、ボタン入力は二の次だ。
早くG'zOneケータイの新型がでないものかと思っていた矢先、ニュースリリースでG'zOne復活のビックニュースが飛び込んできたのは2021年8月だった。
先に述べた通り、G'zOne TYPE-XXの発売は念願、いや願望でもあった。そう感じていたのはちょうど、3G停波のタイミングが迫っていた2021年12月で、これに機種変しない手はないと思い、予約開始と同時にポチッとしてしまった。
そんなG'zOne TYPE-XXの発売から1年が経過しようとしている。そこで1年使い続けて分かったことと、これからの時代に期待したいことを述べたい。
G'zOne TYPE-XXは京セラ製の4Gケータイ。KDDI、カシオ計算機、京セラの3社がコラボレーションした点も特筆すべき点だ。携帯電話製造から撤退したカシオがデザインを担当し、京セラが製造するという異例の体制で開発され、「どうしてもこれじゃないとダメ」「3Gケータイから買い換えたいけど、スマートフォンじゃいやだ」という人に向けて発売された。
タフネス性能は健在、過酷な環境でも安心できる
筆者の考えも同様。スマートフォン全盛の今でも、タフネスかつケータイを求める人にこそG'zOne TYPE-XXは向く、と考えている。
では、具体的にG'zOne TYPE-XXの何がタフなのか。それは、防水のみならず、auフィーチャーフォン史上初となる「塩水噴霧」を含むMIL-STD810規格19項目に対応した点だ。
タフネスによる恩恵を受けられたのが、購入してから約2カ月後の2022年2月頃。関東でも記録的な積雪量となり、筆者が自宅付近で借りている畑にも数センチの雪が積もった。その日は路面が結露し、滑りやすい最悪のコンディション。転んでしまって端末がポケットから滑り落ちてしまった。
だが、落下したG'zOne TYPE-XXは無傷。それどころか雪の混じった土や泥水にまみれても、外部接続端子を保護するキャップが外れたり、外装に傷やへこみができたり、本体が意図せず開いてディスプレイが割れたり、といったことはなかった。
畑作業をする人なら、よく分かると思うが、精密機械の畑への持ち込みはタブーに当たる行為。ビニール袋にスマートフォンを入れて、土や泥水から保護している人も見かけるが、ハードキーのあるタフネスケータイの方が断然安心できる。
袋に入れたスマートフォンだと保護はできても、静電式のディスプレイを操作するのはとても困難だ。筆者はよく畑で何かが収穫できたら、地方(遠方)に居住し、LINEを使わない祖母に電話をかけて、「きょうはこんなものが採れたよ」などと話す機会が多い。そんなときに汚れた手、ぬれた手でもへっちゃらなG'zOne TYPE-XXに助けられている。
とはいえ、過信は禁物。別売りのストラップで首から下げたり、リュックサックに引っかけたりして、ポケットから滑り落ちないようにしたい。もっというと、auの端末保証に必ず加入しておくことをオススメしたい。未加入で故障した場合、高額な修理費用が発生する場合があるからだ。
思っていたより持ちやすい独特のデザイン
期待した以上に持ちやすい――。そう感じたのは手にしたときだ。この手の端末は角張っていてごつい、という印象を持たれがちだが、G'zOne TYPE-XXではそれが持ちづらさに直結していない。もしG'zOne TYPE-XXがスマートフォンとして登場していたら、持ちづらいと感じたかもしれない。大画面が求められないケータイだからこそ、スマートフォンより横幅が抑えられ、結果的に55(幅)×115(高さ)×26(奥行き)mm、重量約138gに収まった。
G'zOne TYPE-XXをテーブルなどに置いたときに、指の原がちょうど側面にかかって、持ち上げやすいことも大きな利点だと感じた。これはケータイのみならず多くのスマートフォンで見落とされることだが、指がかかりやすい形状の端末なら、持ち上げたり、手に取ったりする際、端末が手から滑り落ちてしまうのを防げる。
デザイナーによってはスタイリッシュさをコンセプトにフラットな側面を好むようだが、利便性を含めてデザインをすることが本質のはず。ゴツゴツとした形状はスタイリッシュではないかもしれないが、筆者は好感が持てた。
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