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「arrows」「らくらくスマートフォン」のFCNTが民事再生を申請 販売やサポートに影響が出る可能性:端末事業のスポンサーは現時点で見つからず
「arrows」「らくらくスマートフォン」で知られるFCNT(旧富士通コネクテッドテクノロジーズ)が、親会社のREINOWAホールディングスと、兄弟会社のジャパン・イーエム・ソリューションズと共に東京地方裁判所に民事再生手続きを申し立てた。コア事業の1つである端末事業については現時点で支援企業が見つかっていない。
REINOWAホールディングスと、両社の完全子会社であるFCNT(旧富士通コネクテッドテクノロジーズ)、ジャパン・イーエム・ソリューションズ(JEMS:旧富士通周辺機)は5月30日、東京地方裁判所に民事再生手続きの開始を申し立てた。携帯電話端末市場の成熟化などに伴いFCNTとJEMSの売り上げが伸び悩む中、円安や半導体不足に伴う原価/費用の急騰によって収益と資金繰りが悪化したことに伴う措置で、一部事業についてはスポンサー企業に継承することが決まっているという。
FCNTの「端末事業」のスポンサーは“決まっていない”
5月30日時点において、以下の事業についてはスポンサー企業が決定しており、今後事業承継の手続きを進める方向で検討が進んでいる。
- FCNT:スマートフォンユーザー向けのサービス事業(らくらくコミュニティ、La Member'sなど)
- JEMS:全事業(FCNT製携帯電話の製造/修理事業を除く)
一方で、5月30日時点においてFCNTの上記を除く事業にはスポンサー企業が見つかっていない。そのため、現時点では以下のような対応を取る予定だという。
- プロダクト(携帯電話端末関連)事業
- 携帯電話端末の製造/販売事業:速やかに停止
- 携帯電話端末の修理/アフターサービス事業:一時停止
- ソリューション事業:速やかに停止
ただし、今後スポンサー企業が見つかった場合、当該企業の意向によっては事業を再開する可能性もあるという。
ドコモ向け端末のサポートは継続
本件を受けて、NTTドコモは5月30日、FCNT製端末の販売とサポートを継続する旨を公表した。
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