OPPO Reno9 Aが前モデルと同じ「Snapdragon 695 5G」を搭載――もはやチップのアップデートは不要か:石川温のスマホ業界新聞
オウガ・ジャパン(中国OPPOの日本法人)が、日本オリジナルスマホ「PPO Reno9 A」を発売する。Reno Aシリーズは累計180万台を販売しており、その5代目として登場するReno9 Aなのだが、実は先代の「Reno7 A」のメモリ容量を増加し、少しボディーデザインを変えただけのモデルという見方もできる。チップセットをアップデートしない「新モデル」は、今後のスマホ端末業界の行方を示唆しているのかもしれない。
オウガ・ジャパンは6月22日に「OPPO Reno9 A」を発売する。直販サイトの価格は4万6800円。ソフトバンク(ワイモバイル)、楽天モバイルのほか、MVNOなどでも取り扱われる。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2022年6月17日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
Reno Aシリーズは当初、指原莉乃を起用していたこともあり、一気にメジャーになった感のあるSIMフリースマートフォンだ。実際、2019年の初代登場以降、累計出荷台数は180万台にも達するという。
今回、5代目として登場した「Reno9 A」ではあるが、驚きなのが、チップセットが前モデル「Reno7 A」と全く変わらない「Snapdragon 695 5G」という点だ。
その点に対して、担当者は「価格のバランスを考慮して、Snapdragon 695 5Gを採用した。円安や価格高騰の影響でスマートフォンが全体的に値上がりの傾向にある。チップセットは変わらないが、メモリを従来の6GBから8GBに進化させている」と語る。
新製品にもかかわらず、チップセットが進化していないというのはいろいろと考えさせられるものがある。
ひとつには、もはやスマートフォンに求められるある程度の性能を、過去のチップセットが実現しており、無理に最新のチップを載せる必要がないとメーカーが判断してしまっているという点だ。
もちろん、ミドルクラスであるため、性能よりも価格が重視されるというのも十分理解できる。
ただ、業界全体を俯瞰すると、すでにアップルがiPhone13からiPhone14に型番を進化させたのに、搭載しているチップはA15のままだったということもあった(GPUコアが1つ増えたけど)。
そう考えると、もはやミドルクラスが毎年のようにチップを進化させていくというのは過去の話になろうとしているのかも知れない。
今後は2年に1回程度の進化に留まるというのは十分にあり得る話だろう。
チップを調達するメーカーとしても、同じチップを2年かけて調達した方がコストの削減が期待できるはずだ。また、2年かけて同じチップであれば、1年前に発売した型落ちの機種も継続的に販売することができる。
クアルコム自身もスマートフォンの需要が落ち込む中「同じ機種を値段を下げることで長く売るようになりつつある」と認めているだけに、今後のトレンドになることは間違いない。
ただ、これまでは、「新しいチップでどんなことができるようになるのか」というのがひとつのニュースだったりしたわけで、今後、チップがあまり進化しないようだと、こうしたネタが出てこなくなるというのも、なんとも寂しい気がしてならないのだ。
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