「Pixel 8/8 Pro」と「iPhone 15/15 Pro」どちらを選ぶ? スペックや価格を比較する(1/2 ページ)
「iPhone 15」「iPhone 15 Pro Max」と「Pixel 8」「Pixel 8 Pro」の基本スペックを比較。ディスプレイ、サイズ、カメラなども違いを見ていきます。これまでPixelシリーズの優位点であったコストパフォーマンスのよさは薄まっています。
Googleが、新スマートフォン「Pixel 8」と「Pixel 8 Pro」を10月12日に発売しました。本体価格は前モデルから値上がりしてはいるもの、対象スマートフォンの下取り価格のアップや、次回以降に利用できるストアクレジットの付与などにより、Pixel 8、Pixel 8 Pro共に実質3万9800円から購入できるという施策を実施しており、お得感を演出しています。
iPhoneとPixelは近い時期に発表・発売されることもあり、毎年「Pixelに乗り換える」「今年はiPhoneがいい」などの話を目にするのですが、2023年は2022年ほどにはこうした声を聞かない気もしています。どちらも価格が上がっていることから、これまでのようには気軽に乗り換えられないなどの事情もあるのかもしれません。
そうした問題はさておき、やはりiPhoneとPixel、その最新モデルのスペックの違いというのは気になるところ。OSから違うので単純にスペックを並べても意味はないのですが、そこから見えてくることもあるかもしれません。そこで今回は、「iPhone 15」「iPhone 15 Pro Max」と「Pixel 8」「Pixel 8 Pro」の基本スペックを比較してみます。
サイズ構成は近い、ディスプレイはPixel 8 Proが明るく
まずはサイズから。iPhone 15とiPhone 15 Pro Maxは6.1型と6.7型、Pixel 8とPixel 8 Proは6.2型と6.7型ということで、サイズ構成は近いものがあります。4機種の中では、ディスプレイサイズが最も小さいiPhone 15が本体サイズも小さく軽いですが、同じ6.7型のiPhone 15 Pro MaxとPixel 8 Proでは、Pixel 8 Proの方が大きいものの、重さはわずかに軽くなっています。
スマートフォンを代表する2社のフラグシップモデルのサイズが、徐々に近いものになっていっているのは、ユーザーのニーズがこのあたりのサイズを求めているという結果なのかもしれません。
ディスプレイの仕様としては、これまでiPhoneシリーズのSuper Retina XDRが頭1つ抜けていた印象がありましたが、Pixel 8では新たにActuaディスプレイを搭載。コントラスト比こそ100:1でSuper Retinaの200:1には及びませんが、これまで水をあけられていた輝度はPixel 8のActuaディスプレイが2000ニト(ピーク輝度)でSuper Retinaと同等、Pixel 8 ProのSuper Actuaディスプレイに至っては、2400ニト(ピーク輝度)とSuper Retinaを上回りました。
実際の表示はどうかという問題はありますが、スペック上ではPixel 8/8 ProがiPhone 15/15 Pro Maxに肩と並べたといえそうです。
カメラスペックはPixel 8 Proに軍配
続いて、最近のスマートフォンでは最も重要な要素といってもいいカメラについて。Pixel 8は50MPの広角に12MPの超広角。Pixel 8 Proは50MPの広角、48MPの超広角に加えて、48MPの望遠カメラを搭載します。
iPhone 15は48MP(広角)+12MP(超広角)、iPhone 15 Pro Maxは48MP(広角)+12MP(超広角)+12MP(望遠)です。長らくiPhoneの無印シリーズは広角が12MPでしたが、iPhone 15では48MPにアップしたこともあり、Pixel 8との差はほぼありません。とはいえ、iPhone 15 Pro MaxとPixel 8 Proの比較では、スペック上はPixel 8 Proに軍配が上がりそうです。
ただ、近年のスマートフォンの写真は、単純なハードウェア的なカメラ性能というより、ソフトウェア的な処理の方が重要になってきています。また、Pixelはシャープに、iPhoneは情緒的な写真に仕上がるともいわれており、このあたりは好みの問題になってくるでしょう。
また、iPhone 14シリーズからは、動画撮影時に強力な手振れ補正を行うアクションモードが追加されています。もちろんiPhone 15シリーズにも搭載されておりiPhoneシリーズの優位性の1つでしたが、Pixel 8 Proでは新たに動画ブーストという機能が今秋に提供されます。動画撮影時にAIを利用して色の明るさや手ブレ、画像の補正などを自動的に行うというもの。ある意味、iPhoneのアクションモードへの対抗という気もします。
こうした高度なカメラ機能やAI処理を支えているのが、プロセッサです。iPhone 15はA16 Bionic、iPhone 15 ProはA17 Proを搭載。一方のPixel 8/8 Proは、第3世代となったGoogleの独自プロセッサTensor G3を搭載しています。
Tensor G3の詳細については公開されていませんが、初代のTensor G1と比較し、2倍以上の機械学習モデルを端末上で実行できるとしており、AIに特化した性能なのは以前から変わってはいないようです。最近ではAI処理の重要性はますます高まってきているので、この方向への投資は間違ってはいないはず。とはいえ、スマートフォンではAIだけでなくゲームなどをプレイすることも増えています。こうしたGPUやCPU周りの処理能力では、iPhoneには及ばず、Geekbench 6のベンチマークスコアを見ると、Snapdragon 8Gen 2よりやや下といったところのようです。
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