XrealがCES 2024で“ビッグタイトル”の新ARデバイス投入へ グローバルでのシェアは50.9%に拡大
日本Xrealが、「CES 2024」でARグラスの新製品を発表し、日本で発売すると明らかにした。Air、Light、Beamという3つの製品ラインは2024年も維持される。それぞれのラインで新たなハードウェアを投入する方針という。
ARグラスを手掛ける日本Xreal(旧Nreal)は12月19日、「CES 2024」で新製品を発表し、日本で発売すると明らかにした。
CES2024で“ビッグタイトル”の新製品を発表する
Xrealは2024年1月開催の展示会「CES 2024」で新製品を発表する。日本Xrealの高天夫プロダクトマネージャーは「来年(2024年)のビッグタイトルといっても過言でないもの」を発表すると言及した。
CESではAR関連のハードウェアの発表も予定しており、その製品は日本市場で、2024年3月までに発売するという。
XREALの現行ラインアップには、ARグラスで一般向けの「XREAL Air 2/Air 2 Pro」、開発者向けの「XREAL Light」という2つのラインがある。また、ARグラスと併用する周辺機器として「XREAL Beam」という製品も存在する。
Air、Light、Beamという3つの製品ラインは2024年も維持される。それぞれのラインで新たなハードウェアを投入する方針という。
XREALのARグラスは「メガネのようにかけて使う、外付けディスプレイ」
ARグラスは、サングラスのような形で、視界に映像を表示できる機器だ。メガネのレンズ部分に半透過型の液晶があり、スマホなどの映像を現実の景色に重ねて表示できる。
XREALの製品の場合は、ARグラス本体に画面を表示する機能はなく、スマホやPCから入力した映像を表示できる。いわば、「メガネのようにかけて使う、外付けディスプレイ」といえる。
実際にXREAL Air 2をかけてみると、空間内にモニターの「画面だけ」が目の前に出現するような感覚を覚える。この仮想モニターの大きさは体感27型程度で、目線を動かさずに左右端を一望できるサイズ感だ。頭を動かすと、画面の方が追従するため、自然に映像に集中できる。
モニターの物理的な実体がないため、モニターを展開するのが難しい場所でARグラスは重宝する。例えば、電車や飛行機のような手狭な空間でPC操作したり、寝室でくつろぎながら動画を視聴したりするシーンが適しているだろう。
ただし、ARグラスとスマホを単体で接続する場合に注意点がある。そもそも対応機種が最近のハイエンドモデルに限られている。また、映像処理に負荷がかかるため、スマホのバッテリー消費が激しくなるという弱点もある。
「XREAL Beam」は、このARグラスの弱点を解消する周辺機器だ。Beamは映像処理と電源供給という2つの機能を備えている。ARグラスと入力機器の間に挟むことで、多くの機器が接続可能となる。入力は有線でHDMIをサポートしており、ゲーム機やPCと幅広い互換性を備えている。Miracast互換の映像伝送機能もあるため、スマホを無線でつなぐことも可能だ。
XREALに訪れた2つの転機 グローバルでのシェアは50.9%に拡大
XREALにとっての2023年は、ブランド変更と製品ラインアップの充実という、2つの点で節目となっている。
ブランド変更は、2023年5月に実施した。2017年の創業時の旧社名「Nreal」から、「XREAL」に刷新した。「現実世界に焦点を当て、ユーザーがより豊かな生活体験ができることを目指す」という意図があるという。
製品ラインアップでは、新たにXREAL Beamを発売し、HDMI機器と接続できる環境を整えた。Xreal Air 2を発売して、生活の中で意識せずに使えるようにした。
XREALでマーケティングを担当する倉本豊和氏は、調査結果を引用し、2023年7〜9月の世界ARグラスの市場において、XREALは50.9%という高い市場シェアを得ていると紹介した。
Xrealの出荷数は12月までに出荷数が対前年比で93%増加し、前年度の2倍のペースで製品を販売している。XREAL Air 2の発売を控えた9月までは前年割れで推移していたが、11月のブラックフライデーセールで出荷数を増やしている。
XREALという新ブランドの認知も進んでいる。同社調査によると、SNSではARグラスジャンルの中ではXREALが最も活発に言及されており、日本語での言及は前年比で30%増加したという。
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