ZTEの最上位スマホ「nubia Z60 Ultra」を試す Snapdragon 8 Gen 3搭載で9万円台〜の実力は?(1/3 ページ)
ZTEから「nubia Z60 Ultra」が登場した。カメラ性能重視のスマートフォンとして仕上がっており、メインカメラは35mm画角を採用。ゆがみが少ない写真を撮影できる。本記事ではnubia Z60 Ultraの作例を交えて紹介する。
躍進を続けるXiaomiやOPPO、制裁を受けてもなお高い評価を得続けるHuaweiなど、中国メーカーのカメラ性能特化のスマートフォンの進化は目覚ましいものがある。
そんな中、コストパフォーマンスを重視し、魅力的な端末を安価に提供するメーカーがZTEだ。近年はnubiaブランドを前面に押し出しており、日本でもゲーミングスマートフォンの「REDMAGIC」を展開している。
今回は通常のスマートフォンの最上位モデル「nubia Z60 Ultra」を手にする機会を得たので、レビューしたい。なお、本機種は技適を取得していないため、総務省の特例制度を利用している。特例制度では、技適のない海外の端末に対し、所定の届け出を行うとWi-FiやBluetoothの通信が可能になる。
アンダーディスプレイカメラと35mm画角のメインカメラが特徴
nubia Z60 Ultraはカメラ性能重視のスマートフォンだ。主なスペックを見ていこう。
- プロセッサ……Snapdragon 8 Gen 3
- メモリ……8GB/12GB/16GB
- ストレージ……256GB/512GB
- ディスプレイ……6.8型 フルHD+
- アウトカメラ……標準:5000万画素 F1.59
超広角:5000万画素 F1.8
望遠:6400万画素 F3.3 - インカメラ……1600万画素 UDC
- バッテリー……6000mAh、80W充電
画面サイズは6.8型と大型の部類といえる。AMOLEDパネルを搭載しており、画面解像度はフルHD+だ。120Hzのリフレッシュレート、2160HzのPWM調光に対応しており、ちらつきを抑えて目に優しいディスプレイとしている。
インカメラはUDC(アンダーディスプレイカメラ)としており、ノッチやパンチホールといった「邪魔物」のない仕上がりだ。最新世代のUDCを採用したことで、カメラ周辺も400dpiクラスの画面解像度を備えており、ぱっと見その存在を視認するのが難しい。
本体はカメラを意識したデザインで、望遠カメラは潜望鏡方式のユニット部が浮き出ている。今回のブラックは金属製のフレームを採用しており高級感を得られる。
プロセッサはQualcommの最新モデル「Snapdragon 8 Gen 3」を採用。同社のAndroid端末向けプロセッサとしては最上位のもので、高い性能を発揮する。もちろん、基本性能だけにとどまらず、ISP性能やAI性能が向上したことで、カメラ性能の向上にも大きく寄与している。
搭載メモリは8GB、12GBまたは16GBと必要に応じて選べる。冷却性能も向上しており、最新プロセッサとの組み合わせもあって、長時間のゲームも問題なく遊ぶことができた。
ストレージもUFS4.0規格の高速なものが採用されている。これは省電力ながら高速の伝送が可能になっており、仮想メモリなどを利用してもパフォーマンスの低下を抑えられているという。
nubia Z60 Ultraを使ってみると、最新ハイエンド機のためブラウジング、SNSや動画視聴といった基本的な動作にストレスは感じない。例えばゲームでも「原神」のような高負荷なコンテンツを1時間ほど続けてプレイしても極端に「熱い」と感じることは少なかった。
独自の機能として本体側面にスライドキーを備える。初期設定ではカメラをストリートショットモードで起動できるが、設定からマナーモードなどに変更することができる。「iPhone 15 Pro」のアクションボタンほどの自由度はないが、ある程度カスタマイズは可能だ。この他にIP68の防水・防塵(じん)性能も備えており、昨今の中国メーカーのハイエンドスマホらしいトレンドもしっかり押さえている。
バッテリー持ちについては、6000mAhのバッテリーを採用することで、他社製品よりも電池持ちはよかった。これに加えて、最大80Wの高速充電にも対応しているが、ワイヤレス充電には非対応だ。中国ではXiaomiやOPPOなどが充電速度をアピールする製品を展開しているため、「充電速度の競争」が起こっている。もちろん、急速充電に対応した充電器も付属する。
OSについては独自UIの「MyOS 14」を採用する。HuaweiやXiaomiが近年アピールする「複数デバイスとのコネクティビティ」を重視するものではなく、端末側の利用ログから各種最適化を行ってユーザー体験を向上させる思想が感じられる。
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