Microsoftは、同社製のブラウザ「Edge」などにひもづいたAIアシスタント機能として「Microsoft Copilot」(以下、Copilot)を提供している。この機能は「ChatGPT」に近い感覚で利用できる上に、ChatGPTの有料プランで使える上位モデル「GPT-4」をベースにしており、さらにネット上の最新情報も結果に反映されるなど、ユーザーにとってメリットが多い。本記事では、こうしたCopilotを実際に使うための基本操作について紹介していこう。
なお、Copilotについての概要については、連載過去回にて解説済みだ。概要説明を知りたい場合には、そちらをご覧いただきたい。
「Copilot」はどこから使える?
Copilotを使える場所は複数存在する。主なアプローチとしては、(1)ブラウザの「Edge」に備わった「Copilot」、(2)Webサービスとしての「Copilot」、(3)WindowsのOS標準機能として備わった「Copilot in Windows」、(4)Microsoft 365のアプリにひもづいた「Copilot for Microsoft 365」、(5)モバイル向けの「Microsoft Copilot」アプリ――などが挙げられる。
とはいえ、これら全てを一度に解説すると情報量が膨大になってしまう。今回は、ひとまずWindows 11を搭載するPCを使い、ブラウザの「Edge」に備わったCopilot機能にフォーカスしつつ、具体的な操作方法を確認していきたい。
「Edge」からの具体的な操作方法について
Edgeを起動すると、右端の欄にアイコンが縦向きにいくつか並んでいる。この一番上にある青いアルファベットの「O」のようなアイコンが、Copilotのアイコンだ。ここにマウスポインタを合わせると、Copilotを使うためのサイドバーが表示される。
なお、アイコンをクリックする操作や、「Ctrl」+「Shift」+「.(ピリオド)」キーの押下でも、サイドバーの表示、非表示を切り替えられるので合わせて覚えておこう。
サイドバーが表示されたら、上部にある「会話のスタイル」の欄を選択しておこう。デフォルトでは「よりバランスよく」が指定されているが、「より創造的に」「より厳密に」といったモードに切り替えられる。
そして、サイドバー下部には、プロンプトを入力して送信するためのテキストボックスがある。「なんでも聞いてください…」のように文字が表示されている部分だ。ここにCopilotに対する指示を入力し、紙飛行機のアイコンをクリックするなどして送信しよう。なお、音声アイコンをクリックすることで、音声入力機能も利用できる。
表示された関連項目で深掘りしていける
Copilotの回答が、Webサイトから情報を引用している場合、回答の中に参照元のURLが表示される。ユーザーは、これをクリックすることで、情報に素早くアクセスすることが可能だ。
また、回答の下には、追加の質問候補が表示されるのもポイントだ。例えば、最初に「明日の東京の天気は?」と尋ねていた場合、次の質問候補として「週間天気予報を教えてください」などが表示される。もし想定していた質問に近い内要がある場合には、それをクリックするだけで、追加の質問を送信でき、プロンプトを入力する手間を省ける。
話題を変える際に、チャット画面をクリアにする
一方、一連のチャットで話題を展開していると、Copilotが文脈を反映してしまい、指示や質問の意図を間違えることも出てくる。これを防ぐためには、大きく話題が変わるタイミングで、チャット画面を更新して、真っさらな状態に戻すのが良い。
具体的には、サイドバー右上にある画面更新用のアイコン(円を描いた矢印)をクリックしよう。
ChatGPTとどのように使い分けるのが良い?
Copilot機能では、Webサイトの情報を参照しつつ、必要な情報をピックアップ・整理するのに適している。一方で、複数のテーマを同時に進行しておき、チャットの履歴を切り替えるような操作には向いていない。
そのため「ChatGPT」との使い分けを考えるのであれば、「壁打ち」的な手法で議論を深めていくような用途では「ChatGPT」を使うのが良いだろう。一方、未知の情報について根拠をはっきりさせながら手早く調べていくには、無料の「Copilot」を使った方が良い。
もちろん、これはあくまでも一つの例だ。ぜひ双方のツールを試したうえで、自身のスタイルに合った使い分けを固めていくことを勧めたい。
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