「株主優待になぜPayPayポイント?」「LINEヤフーとのシナジーは?」 ソフトバンク株主総会の質疑応答まとめ(2/3 ページ)
ソフトバンクは6月20日、都内で第38回 定時株主総会を開催した。株主からの質問には、主に宮川潤一氏が回答した。AI関連の質問が集中し、孫正義氏を指名した質問もあった。
LINEヤフーについて NAVERとは継続して協議をしている
―― LINEヤフーの資本関係の見直しの状況や、今後の見通しについて教えてほしい。
宮川氏 何度も同じことばかりで申し訳ないが、LINEヤフーから要請を受けて、セキュリティガバナンスや事業戦略の観点で、NAVERとは継続して協議をしている。現時点では合意に至っていないが、LINEヤフーの将来を考えて、できる限りのことをしたいと考えている。相手のあることなので、合意できる時期を今、明確に答えることはできないが、引き続き協議を重ねていく。
―― LINEヤフーについて、ソフトバンクはどのようなシナジーを目指して、今後運営していくのか。
宮川氏 ソフトバンクの通信基盤と、LINEヤフーのようなインターネット上のサービスをやっている会社は、強みが異なる。競合他社もなかなか強いので、それぞれの強みを合わせて、いろんなサービスを仕掛けていきたい。LINEのサービス、Yahoo!のサービスに加え、もう1つ、われわれにはPayPayという、共同プロジェクトでうまく行っているものがある。第2のPayPay、第3のPayPayを、一緒に知恵を出し合って作っていきたいと考えている。
株式分割や株主優待にPayPayポイントを贈呈することについて
―― 株式分割や株主優待制度の決定に至った背景や経緯を教えてほしい。
宮川氏 若い株主が増えていくということが、当社の中長期の成長につながっていくという思いがある。そのために株式を10分割して、買いやすい単価に設定した。加えて(普通株式を1年以上、かつ100株以上を保有する株主に対し)1000円分のPayPayポイントをお渡しすることで、ソフトバンクの株式を購入していただくきっかけになったらいいと考えた。優待ポイントの総額は全体で10億円ほどを予定している。この10億円を戦略的な取り組みとして活用することで、PayPay経済圏の拡大を含めた、中長期での企業価値の向上につなげていきたい。
―― 株式分割により、株価の上昇が望めなくなるのではないか。
宮川氏 株価は本来、業績に連動するもの。株式分割に左右されるものではないと考えている。着実に純利益を積み上げた結果が株価に反映されると信じており、業績で示していきたいと思っている。また、業績を伸ばしていく自信もある。ぜひ期待していただきたい。
―― 株式分割はいいが、10分割はやりすぎだと思う。4分割などは考えなかったのか。
宮川氏 2分割から4分割、6分割、10分割と、ありとあらゆるパターンを計算して考えた。10分割はやりすぎだと言う役員もいた。PayPayポイント1000円分の贈呈も、恐ろしい金額になるからやめたらどうかという、いろんな話があった。
ソフトバンクを10年、20年、30年と成長し続ける会社にしたいと考えている。ソフトバンクの場合、40歳未満の株主が、他社に比べて異様に低いというデータがあり、ここを掘り起こそうということになった。(10分割は)その層が買いやすい金額をマーケットリサーチした結果。いろんな意見があるのは分かっているが、必ず利益で株価を上げていきたいと考えている。
ソフトバンクが自動運転車の製造までやることは視野に入れていない
―― 自動運転やSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)の開発にソフトバンクが大きな役割を担うことを期待している。出資しているMONET Technologies、BOLDLY、Cubic Telecomの3社は、ノウハウの情報共有をしているのか。
宮川氏 3社は、それぞれやっていることが異なる。MONET Technologiesは、トヨタさんとソフトバンクとで作ったジョイントベンチャーで、日本の自動車メーカーに続々と株主になっていただいた。自動車メーカーの自動運転にかかるプラットフォームを提供する会社として、今、実証実験を政府も交えてやっている。ソフトバンクが自動運転車の製造までやることは視野に入れていないが、自動運転車を動かす際に、車がつながるプラットフォームを提供する。BOLDLYは、バスの巡回拠点のシステムを提供するなどしている。
Cubic Telecomは、(自動運転をはじめとする大容量IoT通信領域の)グローバル市場に本格参入するチャレンジ。ソフトバンクはBeyond Japanの事業方針の中で、日本の中で培ったノウハウを世界に持っていきたいと思っている。もともとCubic Telecomは、フォルクスワーゲングループの子会社で、ヨーロッパの名だたる自動車メーカーのプラットフォームを提供している。日本の自動車メーカーも乗っていただけないかということで、今、営業しており、ホンダさんは乗っていただくことになった。これから営業を拡大していく。
3社、それぞれ異なる企業なので、情報共有については、している部分としてない部分がある。
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