中国スマホが“とある場所”で「消しゴムマジック」を使えないワケ 実際に検証してみた(1/2 ページ)
Google Pixelの新機種が登場し、AIを用いた編集機能がテレビCMでアピールされるなど、注目を集めている。このような機能は他メーカーの機種でも利用できるが、実はメーカーによっては「編集できない」被写体がある。中国の“とある場所”で撮影した写真で試してみた。
Google Pixelの新機種が登場し、AIを用いた編集機能がテレビCMでアピールされるなど、注目を集めている。このような機能は他メーカーの機種でも利用できるが、実はメーカーによっては「編集できない」被写体がある。今回はその事例を確認してみた。
まずはPixelの「編集マジック」をおさらいしておこう
Pixelなどで利用できる「編集マジック」は、従来の「消しゴムマジック」から一歩進んだ処理だ。被写体を切り抜いて自由に移動、サイズ変更も行える。また、被写体がもともといた部分は自動的に塗りつぶすといったことが行える。
編集マジックと消しゴムマジックの大きな違いは「生成AIを利用しているか否か」になる。例えば野山や建物、人物などを識別して高精度に切り抜くことができ、切り抜いた部分は背景に近い描画で塗りつぶす。この「塗りつぶし」の部分に生成AIによる処理が含まれているのだ。
もちろん、画像認識精度も向上しており、従来なら「建物」「人物」といったおおまかなジャンルで識別していたものを、もっと詳細まで識別できるようになった。建物の固有名詞はもちろん、著名人であれば個人名までヒットさせることができる。PixelやGalaxyで利用できる「かこって検索」機能は、まさにそのたまものといえるものだ。
これらの機能はPixelやGalaxyだけで利用できるものではない。市場シェアでも存在感を見せるHuaweiやXiaomiをはじめとした中国メーカーの機種も力を入れ、類似の機能が利用できるようになっている。中国ではこれらの機能が利用できる「AIスマホ」が2024年中には3700万台も出荷されるのではないかという見立てもされており、各社力を入れている。
一方で、生成AIを用いる機能をオンデバイス(オフライン)で処理できるものは限られており、現時点ではPixelやGalaxyはじめとした機種でも画像生成はオンラインの状態でないと利用できない。
中国で販売されるスマートフォンには「編集できない場面」が存在する
そんな中、SNSで「中国で販売されるスマートフォンでは、特定の場面で消しゴムマジックが使えない」という内容の投稿が話題になった。今回筆者も編集部が提供してくれた写真を、実際に中国国内で販売される機種を用いて編集してみることにした。
今回は被写体のうち、背景に写りこんだ人物群を消去してみることにする。いくつかの機種で試したが、筆者の手元にあった中国メーカーのスマートフォンのうち、Huaweiのスマートフォンでは天安門広場で撮影した写真に対し、生成AI処理による編集ができなかった。
今回の写真では問題なかったが、vivo、OPPO、Xiaomiの機種でも被写体によっては「編集できない」といった内容が表示された。どこかのメーカーがダメというわけではなく、中国で販売されている機種では何かしらの理由で弾いている可能性が高い。
また、古い機種では問題なく処理できる。Pixelでいう「消しゴムマジック」に当たる処理は問題なく行えるようだ。今回うまく出力できなかったものは比較的新しい機種で、いずれも生成AIを用いた塗りつぶし等が可能な「編集マジック」に近い機能を用いる点が違いとなる。
いずれも画像認識をして弾いていること。これを行わない古いタイプの編集機能では利用できることから、中国本土向けに販売されている機種は、生成AIによる予期せぬ処理がかかる恐れのある被写体や画像を識別して弾いている可能性が高いと判断する。
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