子ども用スマートウォッチ「小天才」の最新モデルが中国で登場 大人も欲しくなるギミックがスゴい:山根康宏の海外モバイル探訪記
中国の子どもたちに絶大な人気をほこるスマートウォッチ「小天才」の最新モデル「Z10」が2024年5月に発売されました。この最新モデルZ10は、デザインから玩具らしさが少し消え、大人が欲しくなりそうな製品に仕上がっています。ロボットのパーツを組み合わせたようなデザインが特徴です。
中国の子どもたちに絶大な人気をほこるスマートウォッチ「小天才」の最新モデル「Z10」が2024年5月に発売されました。同社のフラグシップと呼べるZシリーズのスマートウォッチはデュアルカメラ搭載にLTE通信対応が標準と、「子ども向けだから」なんて侮れない製品なのです。しかもこの最新モデルZ10は、デザインから玩具らしさが少し消え、大人が欲しくなりそうな製品に仕上がっています。
ロボットのパーツを組み合わせたようなデザインのZ10は、大人向けの薄くておしゃれなデザインではなく、むしろ腕につけて目立つような外観になっています。これは子どもが付け忘れることを防ぐとともに、もしも誘拐犯が子どもの腕を見たときに「自動で位置も追跡されてしまう」と、高性能な子ども向けスマートウォッチを使っていることが分かるようにしているのでしょう。中国では小天才のスマートウォッチのデザインは多くのコピー商品が生まれるほどメジャーなのです。
内側には心拍数や温度センサーを搭載します。ペアリングする親のスマートフォンに子どもの健康状態を常に連絡し、異常時はアラームで知らせてくれます。なお、ペアリングといっても一緒に使うのではなく、Z10の状態を常に確認できるスマートフォンが親機として使えるのです。また背面のセンサーの下にあるのは蓋式のnanoSIMスロットで、物理的なSIMカードを自由に入れ替えて使えます。
Z10は本体をこのように起こして使うこともできます。ヒンジは上下90度に加え、360度回転します。そしてディスプレイの上と背面にそれぞれ500万画素と800万画素のカメラを搭載しています。本体を引き起こすと自動でカメラが立ち上がり、すぐに撮影もできます。
このカメラは写真を撮る用途だけではなく、親のスマートフォンなどへビデオ通話するときにも使えます。本体を立ててビデオ通話すれば、親のスマートフォンにはインカメラとアウトカメラ、両方の映像が同時に送られるので「子どもの様子はどうか」「どこからかけてきているのか」かを映像ですぐに判別することもできるのです。
さらに、本体だけを台座から引っ張って、単体で使うこともできます。専用のアタッチメントをつけて首からぶら下げて使うことも可能です。自転車につけてアクションカムのように使うこともできるといいます。IP69の防水・防塵(じん)にも対応しており、水泳で使うこともできるとのことです。
カメラの画質は1000万画素ないものの、スマートウォッチの画面サイズが小さいこともあり十分実用的なレベル。意外にも細かい文字も読み取れます。スマートフォンに転送してSNSでシェアするのにも十分な画質です。
プロセッサはQualcommのSnapdragon W5、メモリ2GBにストレージ64GBを搭載。OSは独自のCaremeOS 3.0です。アプリは支払用のAlipay意外は独自のもので、小天才ユーザー同士のSNSアプリも搭載されています。
前モデル「Z9」と比べてみるとデザインの違いがよく分かります。ディスプレイは1.78型(468×416ピクセル)で、Z9の1.6型より大型化しました。性能がアップしたこともあってか価格は2299元(約5万1000円)と結構高価です。なお、Z9は1999元(約4万4000円)で、Z10が出ても値段が下がることなく下位モデルとして併売されます。
この写真は上海の家電量販店の小天才販売コーナーで、小天才のZ9をはめている子どもがいたので撮影させてもらったもの。このような子どもは中国に実際に多いのです。インバウンド旅行者が増えていますが、Z10はグローバルでのトラッキングにも対応しており、中国人観光客のお子さんがZ10を腕にはめて日本旅行を楽しんでいる姿を見る日がいずれ来るでしょう。
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