新折りたたみ「Pixel 9 Pro Fold」の実力検証 初号機やGalaxy Z Fold6と比べて使い勝手はどうか(1/3 ページ)
9月4日に発売されるGoogleの折りたたみスマートフォン「Pixel 9 Pro Fold」をレビューする。初代「Pixel Fold」やGalaxy Z Foldシリーズと比べ、Pixel 9 Pro Foldにはどのような特徴があるのか。ディスプレイやカメラ、2画面を生かした機能などを見ていく。
「Pixel 9」「Pixel 9 Pro XL」に続き、9月4日に「Pixel 9 Pro」「Pixel 9 Pro Fold」の2機種が発売される。今回取り上げたのは、フォルダブルスマホとして初めてナンバリングモデルになったPixel 9 Pro Fold。横開きのフォルダブルスマホとして、国内最薄の10.5mm(閉じたとき)を実現しており、注目を集めている。
閉じるとスマホ、開くとミニタブレットのサイズになる横開きのフォルダブルスマホは、選択肢が少ない。海外ではOPPOやXiaomiをはじめとした中国メーカーが端末を投入しているものの、展開する市場が限定されており、いずれも日本未発売。国内の現行モデルという意味では、「Galaxy Z Fold6」が唯一のライバルだ。
では、初代「Pixel Fold」やGalaxy Z Foldシリーズと比べ、Pixel 9 Pro Foldにはどのような特徴があるのか。これらのシリーズと比較しつつ、Pixel 9 Pro Foldをレビューしていきたい。
大胆に変更したディスプレイ比率は吉と出るか、凶と出るか
初代Pixel Foldは閉じると縦長のスマホ、開くと横長のタブレットになるのが特徴のフォルダブルスマホだった。これに対し、Pixel 9 Pro Foldはディスプレイ比率を変更。開いたときにミニタブレットと呼べるサイズ感になる点は同じだが、ディスプレイ比率は正方形に近い縦長になった。解像度でいえば、縦は2152ドット、横は2076ドットで、ほぼほぼ真四角ながらもわずかに縦長だ。
この変更は使い勝手に影響する。例えば、Gmailアプリ。Pixel Foldでは画面を開くと即横長の画面に最適化した2カラム表示になっていた一方で、Pixel 9 Pro Foldでは通常のスマホと同じ1カラム表示になる。本体を横向きにすると2カラム表示に切り替わるものの、呼び出す手間がワンステップ増えた格好だ。
ただし、アプリによってはそのまま横長と判断し、縦長のときとは違うUI(ユーザーインタフェース)になることもある。標準アプリは、むしろそちらの方が多かった。Chromeはその代表例で、開いた状態だと縦にしても画面上部にタブが表示される。RCS対応のメッセージアプリも2分割表示になる。画面の縦横比は変わったが、アプリごとに開いたときの挙動は異なるようだ。
とはいえ、この解像度に追い付けていないアプリもある。少々挙動がおかしいのが、「X(旧Twitter)」。縦にしたときには画面いっぱいにポストのタイムラインが広がるが、横にすると、なぜかタイムラインが画面中央にギュッと凝縮されてしまい、左右に無駄なスペースが生まれる。
困ったのが電子書籍アプリ。先代のPixel Foldは、開いた状態だと見開き表示になり、本体を横に倒すと単ページに切り替わっていた。コミックなどでは見開きのままでも大きな問題ないが、雑誌のようにもとの判型がA4なりA4変形だったりすると、見開き表示には8型でも小さすぎる。11型のiPad Proですら単ページ表示がちょうどいいほどで、8型の画面で見開きにしてしまうと、キャプションはおろか、本文も読みづらい。
この影響が大きかったのが「dマガジン」で、Pixel 9 Pro Foldだと、単ページにする方法が見つからなかった。縦スクロールだと単ページになるが、上下が足りないので何か違う。Galaxy Z Fold6のように、縦では単ページ、横では見開きというように、端末の向きに応じて表示を切り替えられるといいのだが……。Pixel 9 Pro Foldの場合、いきなり縦長になったことで、アプリ側がきちんとキャッチアップできていないような印象もある。
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