Nokiaブランドは消滅も近い? “身元引受人”のHMDはオリジナルブランドに注力、自分で修理できる製品も:山根康宏の海外モバイル探訪記
フィンランドHMD Global(HMD)が2024年に入ってから自社ブランドの製品へと切り替えを始めています。
Nokiaブランドのスマートフォンを展開しているフィンランドHMD Global(HMD)は、2024年に入ってから自社ブランドの製品へと切り替えを始めています。Nokiaの母国でもあるフィンランドの首都・ヘルシンキの家電店を訪問してみたところ、HMDブランドのスマホが多数展示されていました。
既にHMDブランドのスマホが複数出ていますが、ブランド第1弾のモデルとして登場したのが「HMD PULSE」です。
プロセッサはUNISOC T606、ディスプレイは6.65型(1612×720ピクセル)とロースペックです。カメラもアウトカメラは1300万画素、インカメラが800万画素と極めてベーシック。価格は149ユーロ(約2万4000円)でした。通信方式は4Gのみ対応で、スマホ入門機ともいえる性能のモデルです。
一方で、Nokiaブランドのスマホも性能はミドルレンジ以下の製品が多く、大手メーカーのハイエンドモデルに匹敵する製品はありません。現在のNokiaスマホは“ひっそりと”売られている感じがあります。とはいえ、HMDがベーシックなスマホを作り続けるのは、そこに需要があるからでしょう。
ブランドで上位モデルとなる「HMD Pulse Pro」は、基本性能こそPULSEと同じながら、カメラをアップグレードし、アウトカメラ、インカメラともに5000万画となっています。SNSに写真を頻繁にアップロードする若い世代にもこちらは受けそうです。
店頭で両製品を使ってみましたが、HMD Pulse Proならカメラは十分実用的で、普通に撮影して美しい絵が撮れます。プロセッサ性能の関係から、動画は1080p/30fpsまでとなりますが、それでも室内のやや暗い場所でしっかりと撮影できました。
そして、この2つのモデルには他のメーカーの製品にはない大きな特徴があります。それは自分で修理が可能な構造になっていること。
スマホなどの修理関連を行うiFixitと提携し、背面やカメラモジュール、バッテリーなどを注文し、ユーザーが自宅でセルフ交換できるのです。
本体の分解もピック状のツールを使えば簡単にできるとのこと。「スマホには最低の機能があればいい」「長く使い続けたい」──そんな風に考えるユーザーは特にヨーロッパに多くいます。HMDのスマホは、サステナブルな考えをユーザーに提案することで、今後も独自に製品展開を進めていくのでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
わずか9.47mm、「Pixel 9 Pro Fold」より薄いシャオミ「MIX Fold 4」を触ってみた
「MIX Fold 4」は、厚みがわずか9.47mmと、Pixel 9 Pro Foldよりも1mm薄いのです。
HONORスマホの中核を担う数字入り型番モデル「HONOR 200 Pro」は“さりげないハイエンド”で人気
カメラ性能だけでもHONOR 200 Proは十分魅力的なスマートフォンなのです。
「Galaxy Ring」を求めて韓国ソウルのSamsungストアに行ってきた
日本など他の国への展開はあるのでしょうか?
Galaxy Z Flip6で採用されたカメラのカラーリング、実はFlip5のメゾン マルジェラ限定モデルでテストしていた?
2023年に発売した過去モデル「Galaxy Z Flip5 Maison Margiela Edition」は、発売と同時に完売するほどの人気となり、“幻のスマホ”とも呼ばれていました。「Galaxy Z Flip6」のデザインにも踏襲されている部分があります。
海外限定、淡いピンク色の「Galaxy Z Fold6」 日本発売も期待したい
派手なピンク色ではなく、サクラピンクともいえる淡い色合いは,日本でも受けそうです。





