スマホカメラ全盛の今、あえて初代チェキ「instax mini 10」を使って“写真との向き合い方”を考えてみた(2/2 ページ)
フィルムカメラを始めてみてもいいかもしれないと考えていたところ、ひょんなことから初代のチェキ「instax mini 10」を入手。最もよく使い、よく映るのはやはり人物撮影だった。フィルム写真はデジタルカメラの気軽さとは対照的に、慎重な観察と深い思考が求められる。
最新のinstaxの機能に触れる スマホへの取り込みも可能
後続機種のinstaxではストロボの強制オフ、最短0.3mの近接撮影、10秒セルフタイマー、二重露光といった機能が搭載されているようで、撮影の幅がより広がります。
実はinstaxにハマったことで、秋向けコーデアイテムという意味も込めて上記機能を持つLeica Sofortの初期モデルの中古品を購入したのですが、こちらは初期不良ですぐに返品してしまいました。ですので、これらの機能はまたどこかで紹介できればと思います。
最新のinstax mini 99ではこれらに加えて絞りによるビネットモードや人工的な光漏れによるカラーエフェクトコントロールが可能になっています。デジタル処理ではなくアナログでこれを実現しているところはまさに変態的!(褒めています)
興味がある人はぜひともその開発秘話をご覧になってください。実機レビューは本誌おなじみ荻窪さんがしておりますのでこちらも必見です。
- →技術者「本当にやるの?」──わざと光を被らせるエフェクトを搭載した大胆なインスタントカメラ、富士フイルム「INSTAX mini 99」開発秘話
- →発想が変、タイパ最悪、だがそれがいい! エフェクトがかけられる新型“チェキ”で味のある写真を撮りまくる
撮れたチェキの写真はそのまま保管することも可能ですが、富士フイルム公式が提供するアプリ「Instax UP!」でスキャンと管理が可能です。
スマホカメラで写真をスキャンすることでスマホへの取り込みが可能です。チェキの四隅をスキャンすることで反射を低減してスキャンすることも可能で意外と使いやすいです。何枚かスキャンしてみましたが、どうしても画質が低下します。手軽さとのトレードオフですね。できるだけ明るい場所で、暗い背景でスキャンするのがコツです。
また、このように無造作に広げたギャラリーチックで表示できる機能がなかなか面白いです。そのまま切り抜きシェアする機能もあるので友人へのシェアもでき、この機能はうれしい人も多いのではないでしょうか。
写真とは何なのかを考えさせられた一台
2024年買ってよかったものを紹介するというお題に対して、(正確には買ったものではないものの)私の答えはinstaxになるかなぁと思っています。
フィルムを装填(そうてん)してシャッターを切るたびに取り返しのつかない一期一会の緊張感がある感覚。ISPもAIもなく、単純に光の読みが求められるフィルム写真はデジタルカメラの気軽さとは対照的に、慎重な観察と深い思考が求められます。チェキでそこまで? と思うかもしれませんが、チェキであってもそのような気持ちにさせられるのです。
写真とは何なのか、それを知るためにいま一度フィルムへの立ち返りをしてみてもいいかもしれない。実家から出てきたinstaxはそんなことを感じさせられたきっかけの一台になりました。
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