新しいPixelやiPhoneは“売れていない”? 店員が語るその理由:元ベテラン店員が教える「そこんとこ」(3/3 ページ)
携帯電話ショップにとって、年度の後半は秋口の「新モデルの登場」から台数的に一番売れる「春商戦」に至る“かき入れ時”だ。2024年度の後半は新モデルも豊富で“新鮮”なので売り場が盛り上がる……と思いきや、そうは見えない。実際はどうなのか、携帯電話ショップの現役店員から話を聞いてみよう。
それでも客は「新機種を選びたい」
ある店員は、以下のようにも語っていた。
昔はハイエンド機種がタダ同然で買えていました。だからこそ、買い替え前の機種が良いモノだったら、次も良いモノを選びたいと思うのが普通です。「0円」が「15万円」はもちろんですが、「10万円」が「15万円」になるのも心理的インパクトは大きく、買い換えをためらってしまうのは当然です。
電気通信事業法が改正され、端末の値引きが制限されるようになってから数年たちますが、やはり今もお客さまからは「以前なら安く買えたのに」と言われます。法改正と端末価格の高騰が重なって、「安くはないけど高くもない」という感じで買えた時期があまりにも短く、結果的に端末が余計に高く感じて、新機種に興味はあっても買えないということで、店に足が向かないお客さまもいるのかもしれませんね。
ここまでの話でもあった通り、新機種は売れていないわけではない。しかし、以前ならアーリーアダプター以下の客層も発売日の購入を望んでいたところ、端末の価格高騰がその意欲をそいでしまった――そんな状況が、売り場を一見すると「売れてないのでは?」と感じてしまう原因となっている。
しかし、来店客が新機種に興味を示していないかというと、そうでもない。これまた端末の価格高騰が原因で、同じクラスのスマホに買い換えられなくなってしまっているのだ。以前ならキャンペーンで“後押し”もしやすかったのだが、今は法律やガイドラインの規制が厳しく、それも難しくなってしまった。
「在庫あります!」「今なら買えます!」が、来店客の決めてにならないのが今の携帯電話市場の状況だ。
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