「AQUOS R9 pro」のカメラ機能を「Xiaomi 14 Ultra」と比較 よかったのは望遠、悪かったのも望遠(3/3 ページ)
2024年末、カメラ機能でユーザーを驚かせたスマホといえば「AQUOS R9 pro」だと思う。これを「Xioami 14T Ultra」と比較してみた。大型センサーの搭載は意欲的で面白いが、シャッターボタンの搭載や手ブレ、ピンボケのしやすさがあだとなっている。
Xiaomi 14 Ultraと比較すると課題が浮き彫りに
手持ちのXiaomi 14 Ultraと比較した結果、結論としてはXiaomi 14 Ultraの方が使いやすく総合点は高いと感じました。
特に前述の手ブレのしやすさなど、AQUOS R9 proは望遠の詰めが甘くXiaomi 14 Ultraの方が誰でも使いやすいカメラになっていると感じます。
手ブレだけでなく最短撮影距離にも大きな違いがあります。AQUOS R9 proはかなり近づいて撮れますが、Xiaomi 14 Ultraの方がもう一歩踏み込んで撮影できるため、同じ被写体に対してそれぞれのスマホで一番近寄れるところで撮影するとXiaomi 14 Ultraの方がインパクトのある写真が撮れます。
とはいえ、センサーサイズが大きくなるとその分、最短撮影距離が長くなる傾向にあり、トレードオフの関係なので仕方のないことではあります。
カメラの色作りに関しても個人的にはXiaomi 14 Ultraの方が好みでした。
上の2枚は同じ場所でほぼ同じ設定で撮影した写真ですが、AQUOS R9 proはシャドーを持ち上げてハイライトを落とすスマホ的な写真になっているのに対して、Xiaomi 14 Ultraの方は暗いところは暗いまま残す自然な映りをしています。空の色も朝焼けの薄明光線のイエローから反対のブルーに至るまでXiaomi 14 Ultraの方がカラーの差とそれに至るグラデーションがより立体的で、より印象的に感じました。
カメラ的に扱えるか、という意味ではXiaomi 14 Ultraのカメラグリップと絞りは強みでした。特にカメラグリップの有無は構えたときの安定性が違うため手ブレ有無にもつながるのだと思います。
総じてXiaomi 14 Ultraの方が完成度は高いという印象でした。AQUOS R9 proのカメラハードウェアスペックは、特に望遠カメラに関しては良いので今後のソフトウェアアップデートに期待しています。
AQUOS R9 proの作例集
最後にAQUOS R9 proで撮影した作例をいくつか紹介します。
ブレやすいことを生かして動体だけをブレさせる撮影をしてみました。人が多い場所でうまく使えるかもしれません。
標準カメラに関してはさすがの1型センサーです。夜景撮影でも明るくくっきりと、それでいて階調豊かに映ります。
1型センサーゆえに光学的な背景ボケを生かした撮影も可能です。
ピントが合っているところはシャープで、少しボケている煙は柔らかな雰囲気、背景はとろける、というほどではないものの、河川敷と分かるぐらい程よくボケてくれました。
望遠カメラの1/1.56型センサーは暗いところでも質感を残した撮影が可能。ヒットさえすればいい写真が撮れました。
魅力的なデザインのカメラ、ソフトの改善次第では大きく化ける
AQUOS R9 proの標準カメラの1型センサーの描写は前作譲りの出来で、安定してハイパフォーマンスな描写が得られました。今までの技術の蓄積ゆえできることなのだと思います。
今作は1型センサーのメインカメラが標準的な画角になったことに伴い超広角が追加された上に、3倍望遠が追加されたことで表現の幅が拡大しました。特に望遠カメラは1/1.56型センサーと意欲的な設計ではありますが、シャッターボタンの追加、大型かつ高精細なセンサーの搭載により手ブレ・ピンボケしやすい傾向にありました。
カメラUIに関してもまだ改善の余地があるため、今後のソフトウェアアップデートで徐々に改善されることに期待しています。
AQUOS R9 proは最大3回のOSバージョンアップを、5年のセキュリティアップデートを保証しています。その中でカメラ機能が洗練されるとともに知見を蓄積し、来たる次回作でより魅力的な望遠カメラに仕上がることが楽しみです。
(製品協力:シャープ)
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