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ソフトバンクが10年ぶりにGalaxyの取り扱いを復活――ガイドライン改正で「リセールバリュー」にフォーカス石川温のスマホ業界新聞

ソフトバンクが「Galaxy S6 edge」以来、約10年ぶりにサムスン電子の端末を販売することになった。その背景には総務省が定める「ガイドライン」の改訂にあった。

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「石川温のスマホ業界新聞」

 Galaxy Unpakedの会場にはソフトバンクのコンシューマ事業推進統括、寺尾洋幸氏の姿があった。今回からソフトバンクでもGalaxyの取り扱いが復活することになった。実は2015年5月に発売した「Galaxy S6 edge」以来、10年ぶりのこととなる。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年1月25日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 両社の関係が途絶えたのは「俺の目の黒いうちはソフトバンクと取引はしない」といったサムスン関係者がいたとかいないとか。当時、ソフトバンクはiPhone推しだったため、サムスン電子としても我慢ならなかったという都市伝説がある。

 いずれにしても、このタイミングで雪解けを迎え、ソフトバンクがGalaxyを扱えるのは喜ばしい限りだ。

 今回、ソフトバンクがGalaxyを扱う理由の一つとして「ガイドラインの改正」があったという。

 キャリアが安価にスマートフォンを販売するには、いままで以上にリセールバリューが重要になってくる。そのため、グローバルで販売されているGalaxyを扱うことが必須になってきているというわけだ。

 ソフトバンクとしては、iPhone、Pixel、Galaxyといったハイエンドモデルはリセールバリューの高さで、月額の負担額を抑えつつ、XiaomiやZTEなどの中国メーカーは安価な端末を調達して、ユーザーの負担を下げるという狙いのようだ。そんななか、リセールバリューがなく、コスト競争力のない日本メーカーは厳しい戦いを強いられることになりそうだ。

 これから春商戦が本格化していくが、ソフトバンクとしては「王道は学割。一方でiPhoneとPixelといったラインナップ」(寺尾氏)で勝負していくという。

 気になる「お試し割」について寺尾氏に聞こうとしたところ、雰囲気を察してくれたようで「どっちが正解かわからない。結局、同じ2万円。どっちがいいのか。お客さんや市場を見ながら、いつでもいけるようにはなっている」とのことであった。

 楽天モバイルがやりたいと総務省を口説き落として導入されることになった「お試し割」なだけに、あえてソフトバンクから仕掛けることはなく、まず楽天モバイルの出方を待つ感じなのかもしれない。

 もうひとつ、ガイドライン改定で導入された「ミリ波端末への割引緩和」に関しても「8万円を超えてからの割引。まずはメーカーさんにミリ波の端末を安く入れてもらわないと」(寺尾氏)という。

 ハイエンドなミリ波端末は20万円を超えるのが一般的となっており、その割には割引額は最大4万4000円に1万6500円を増額できるだけに過ぎない。

 本体価格の割には増額分が少ないため、ミリ波端末の普及促進への効果は限定的と見ているようだ。

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