M3チップ搭載の新型「iPad Air」は何が変わった? 先代モデルと比較してみた(2/3 ページ)
新型iPad Airと先代モデル(以下、M2 iPad Air)との違いについて、スペックを比較しつつ確認してみましょう。
M3チップでパフォーマンスは向上、ただしM2チップでも十分かも
新型iPad Airの唯一の変更点といってもいい部分として、プロセッサが先代モデルのM2チップからM3チップに更新されています。
M3チップは8コアCPU/9コアGPU/16コアのNural Engineを搭載しており、先代モデルのM2チップとコア数については同様です。
マニアックな話になりますが、M2チップは5nmプロセスで製造されているのに対し、M3チップは3nmプロセスと回路の微細化が進んでいます。特にM3チップはGPUの改良が大きなポイントで、ローカルメモリの使用量をリアルタイムに割り当てる「Dynamic Caching」や、光の反射の描画に関わる「レイトレーシング」、3D描画に関わる「メッシュシェーディング」をハードウェアでサポートするようになりました。つまり、3Dで描画するゲームやクリエイティブの場面におけるパフォーマンスが向上しています。
とはいえ、Apple自身はM3チップを搭載した新型iPad Airの訴求において、「M1チップを搭載したiPad Airと比較して、マルチスレッドのCPUワークフローは最大35%、グラフィックス性能は最大40%、Neural EngineによるAI処理は最大60%の高速化を図っている」──と、M1チップを搭載した2つ前の先代モデルを引き合いに出しています。
チップ自体の改良によって、M2 iPad Airと比較した場合でもパフォーマンスは向上していると考えられますが、ユーザーに買い替えを促すほどの体験の差はないと、Apple自身も考えているはずです。よってパフォーマンスアップを目的としたM2 iPad Airからの買い替えは考えなくてもよさそうです。
もちろんApple独自の生成AI機能「Apple Intelligence」も、新型iPad Airで利用できます。ただし、M2 iPad Airでも利用できることに変わりはありません。
カメラやUSB Type-Cコネクターなどインタフェースも同じ
新型iPad Airは背面に1200万画素の広角カメラ、前面には1200万画素のインカメラ(センターフレーム対応)を搭載しています。こちらもM2 iPad Airから変更はありません。
接続コネクターはもちろんUSB Type-Cを採用しており、トップ(電源)ボタンにTouch ID(指紋センサー)を内蔵しています。スピーカーも横向きの状態で左右に配置されるステレオスピーカーです。
通信機能はWi-Fi 6Eの無線LANに対応し、Wi-Fi+Cellularモデルは5Gに対応しています。
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