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楽天モバイルの加入者数は「今年、1000万人を超える」 三木谷氏が世界でアピールするモバイル事業の強み(2/2 ページ)

楽天グループは、3月3日から6日までスペイン・バルセロナで開催されている「MWC Barcelona 2025」に出展。会期2日目の4日、同社代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏がイベントに登壇し講演。楽天がなぜモバイルビジネスに参入したかを振り返り、ソフトウェアビジネスを行っている理由を説明した。

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囲み取材で語られたこと

 講演後、三木谷氏は日本の報道関係者による囲み取材に応えた。主なやりとりは以下の通りだ。

―― オープンRANの普及はどのように進むか

三木谷氏 既存のテレコムカンパニーが一気に全部(オープンRANに)移るのは難しいと思うが、部分的に交換し出している感じ。とはいえ、いろいろなクラウド、周波数帯域、ハードウェアがあり、これが全部ちゃんと動くことをcertification(証明)しなくてはいけないが、楽天シンフォニーは95%ぐらいcertificationしている。いろんなところでいろんなことをやっている。

 楽天は7年前から始めたのではなくて、実はもう17年間やっている。にわかではない。

―― 新規参入で全部O-RANでというのは難しいのか

三木谷氏 最近だと、クラウドを楽天のテレコムクラウドに入れ替えているところも出てきている。自分たちだけで全部売っていくのは難しい。シスコやエアスパンといった、そういうところにオープンライセンスしていく。彼らに売ってもらうという考え。

―― しばらくはレガシーとオープンRANは共存する?

三木谷 そう思う。それこそLinuxの世界もそうだった。そもそもLinux上で銀行や金融サービスが動くことはあり得ないと思われていた。それと同じように、あらゆる機器、あらゆる周波数帯、あらゆるクラウドの上でオープンRANのソフトウェアが動くことが、ほぼ証明できてきた。ただ、ビジネスモデルとして、ガバっと取るのではなく、広くあまねく、投資が少なく軽い負担で、いわゆるPay-as-you-use、従量課金的に提供する。今回はシスコを含め3社だが、これからライセンシーが年内に両手ぐらいまで行ければ。

 例えば、WindowsのソフトウェアをPCメーカーが開発しようと思ったら大変。われわれはオープンRAN界のWindowsになりたい。

―― オープンRAN導入の過程で、楽天モバイルの実績をかなり見られているような印象がある。

三木谷氏 もちろん、もちろんだ。

―― 7年前と今と、違いを感じるか

三木谷氏 アワードを受けたこともあり、もともと世界的には評価が高かった。残念ながら、楽天モバイルはミッドバンド(1.7GHz帯)が20MHz幅(×2)しかないので、ダウンロードスピードで世界のトップクラスにはなかなかなれないが、アップリンクやレイテンシではトップクラス。

 最初のうちは「電気料がかかるんじゃないか」「パフォーマンスが出ないじゃないか」と懸念されたが、そんなことはなかったという話。

 ノキアやエリクソン(という巨大ベンダー)に取って変わるというより、楽天は彼らのサービスとは別の形で提供できる新しい世界を切り開いている日本の会社。可能性があると思っているので応援していただきたいと思う。

―― オープンRANは何年後ぐらいに全盛になると思うか

三木谷氏 さまざまな会社がオープンRAN導入についてコミットしている。分からないが、5年後の2030年くらいには半分くらいになっている可能性があるかもしれない。6Gになる、7Gなる、SAが来る、プライベート5Gをやるというときに、全部ハードウェアではやっていられないわけなので。新規参入はO-RANが前提。新規参入者に対して、既存業者が競争優位的に古いテクノロジーで対抗できるかどうかっていう話。

―― リアルOpen RANライセンシングプログラムは昨年(2024年)のMWCで発表された。1年で3社採用という数をどう思っているか

三木谷氏 話をしているところはもっとある。でも、最初はこんなものじゃないか。自分でやるよりいいはず。われわれのオープンRANをデファクトスタンダードにしたい。



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