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「iPhoneのマイナンバーカード機能搭載」で何が変わる? Androidとの違いやメリットを解説(1/3 ページ)

マイナンバーカードは、物理的なカードを使った本人確認書類としての機能と、電子証明書を使ったオンラインの本人確認機能を備えている。さらに、マイナンバーカードの機能をスマホに搭載する動きも進んでいる。まずはiPhoneが対応する予定だ。

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 マイナンバーカードは、物理的なカードを使った本人確認書類としての機能と、電子証明書を使ったオンラインの本人確認機能を備えている、日本で唯一の公的な身分証明書だ。今後、銀行口座の開設や携帯電話の契約などで本人確認が厳格化される見込みだが、そうした状況でもマイナンバーカードであれば対応できるというメリットがある。

 さらに、現在進められているのがマイナンバーカードの機能をスマホに搭載しようという動きだ。5月にも、iPhoneにマイナンバーカードが搭載される見込みで、さらなる利便性の向上が期待されている。

iPhoneマイナンバーカード
スマートフォンにマイナンバーカードが搭載されれば、物理カードの持ち歩きも不要になる

2段階で進むiPhoneへのマイナンバーカード機能搭載 対応サービスの拡大にも期待

 マイナンバーカードのスマートフォン搭載は、2段階で進められている。第1弾として登場したのが「スマホ用電子証明書」で、Androidスマートフォンにマイナンバーカードの電子証明書を搭載し、スマートフォン単体でオンラインの本人確認を実現した。

iPhoneマイナンバーカード
Androidスマートフォンで申請することで、スマホ用電子証明書を発行できる

 そして第2弾として進められているのが、「マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載」だ。これは現時点でiPhoneが対応する予定で、今春の終わり頃の提供開始とされている。少なくとも現時点でデジタル庁はスケジュールに変更はないとしており、恐らくは5月中に提供開始される見込みだ(6月を初夏と考えた場合)。

 Android向けのスマホ用電子証明書は前回の記事で説明した通りだが、デジタル庁の公式見解では、このスマホ用電子証明書はマイナンバーカード機能の一部であることから、「スマホ用電子証明書搭載サービス」も「マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載」である、ということになっている。

 「マイナンバーカード機能(の一部)のスマートフォン搭載」は、既にAndroid向けに実現しており、今後、iPhone向けに「マイナンバーカード機能(の全て)のスマートフォン搭載」が実現する、というわけだ。

 逆にいえば、今後はiPhoneにも「スマホ用電子証明書」が搭載されるということになる。iPhoneでもスマホ用電子証明書を発行し、マイナポータルのログインでスマホ用電子証明書を使ってログインする、といった使い方が可能になるということだ。

 スマホ用電子証明書では、e-Taxでの確定申告の送信、携帯電話やクレジットカード契約、銀行口座開設時の本人確認などで署名用電子証明書も使われている。これらの機能も、これまでは物理カードかAndroid向けのスマホ用電子証明書しか利用できなかったが、今後はiPhoneでも使えるようになる。

iPhoneマイナンバーカード
NTTドコモの本人確認では、スマホ用電子証明書の署名用電子証明書が利用できる

 これは重要な変化で、現在、スマホ用電子証明書に対応しているサービスは決して多くはない。昨今の本人確認厳格化の流れからJPKIの対応は進んできており、本人確認に署名用電子証明書を使う例は増えている。

 ただ、マイナンバーカードを使うJPKIがほとんどで、スマホ用電子証明書に対応した例は少ない。そうした中、日本ではiPhoneのシェアが半数を超え、iPhoneに合わせて事業者側が自社対応を進めるパターンが多い(まずはiPhoneに対応してAndroidが後回しになるパターンも多い)。

 そのため、iPhoneがスマホ用電子証明書に対応することで、これまでスマホ用電子証明書に対応していなかったサービスや、そもそもJPKIに対応していなかったサービスでも、本人確認にJPKI(スマホ用電子証明書を含む)に対応する例が増える可能性がある。従来の本人確認書類の撮影と自撮りで行うオンラインにおける本人確認(eKYC)に比べて、偽造の可能性が低く安全性は高まるため、普及が進むことが期待される。

 マイナンバーカードのiPhone対応は、そうしたメリットがあるといえる。

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