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独自プロセッサ搭載スマホ「Xiaomi 15S Pro」の実力検証 なぜHuaweiほど米国の規制を受けずに開発できたのか(1/3 ページ)

中国でXiaomiが販売する「Xiaomi 15S Pro」を日本に持ち込んで試した。比較的高性能な本機だが、米国に強い規制を敷かれている中国のメーカーであるXiaomiがどうしてここまでの製品を開発できたのか。

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 日本でも販売され、話題を呼んでいるXiaomi 15シリーズ。高いカメラ性能、大容量バッテリーを備えるフラグシップシリーズだが、中国では「独自プロセッサ」を採用した特別モデル「Xiaomi 15S Pro」が存在する。

 今回は実機を深センで購入し、現地で開通させたのちに日本へ持ち込んで簡易的なレビューを行う。日本国内では電波法4条の2、及び103条の6の解釈のもと、電波を発した状態で使用した。

Xiaomi 15S Proは、Xiaomi 15周年記念の「特別スマホ」

 今回紹介するXiaomi 15S Proは、中国でのみ販売されているXiaomi 15 Proのバリエーションモデルという位置付け。特徴として、Xiaomiが独自に設計したSoC(システム・オン・チップ) の「XRING O1(中国名:玄戒 O1)」を搭載する。

 本機種はXiaomiの設立15周年を記念したアニバーサリーモデルであり、フラグシップの中でも立ち位置はやや異なる。他にもこのプロセッサを採用した端末に14型のタブレット端末「Xiaomi Pad 7 Ultra」がある。

Xiaomi 15S Proレビュー
今回はアラミド繊維を用いたXiaomi Composite Fiber Editionを入手
Xiaomi 15S Proレビュー
デザイン面では「XRING」の文字が刻まれている点が特徴的
Xiaomi 15S Proレビュー
画面サイズは6.7型と大きめ
Xiaomi 15S Proレビュー
本機種もライカ共同開発のカメラを備える

 Xiaomi 15S Proはカラーリングと一部外観仕様が異なるものの、それ以外の仕様は先行して販売されたXiaomi 15 Proと共通している。2K解像度かつ3200ニトと明るい6.7型の有機ELディスプレイ、ライカ共同開発のトリプルカメラ、6100mAhのバッテリーと90Wの急速充電機能を備える。

想像以上の高性能! 独自プロセッサでもしっかり使えるハイエンド端

 そんなXiaomi 15S Proに搭載されるXRING O1の特徴に、高い性能が挙げられる。3.9GHzで動作するCortex-X925(高性能コア)を2コア、Cortex-A720を6コア、省電力に優れるCortex-A520を2コアの計10コアプロセッサとなる。

 独自コアではあるものの、QualcommのSnapdragon 8 Eliteに省電力性能に、優れた高効率コアを加えた構成だと評価できる。

 公称値ではAnTuTuベンチマークで300万点を超える高いスコアを記録したとしている。これは現行のスマホ向けでは最上位に当たるSnapdragon 8 Eliteや、MediaTekのDimensity 9400に匹敵する性能だ。

 試しに筆者の環境でもGeekBench 6で性能を計測してみたところ、CPUはシングルコアで2926、マルチコアで9182という高い値を記録した。GPUでも17266を記録しており、これは同世代のSnapdragon 8 Eliteを搭載するGalaxy S25 Ultra(シングルコア:3066、マルチコア:9981、GPU:18306)と大差ない結果となった。

Xiaomi 15S Proレビュー
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XRING O1の性能は最新のハイエンド機種向けプロセッサに匹敵する
Xiaomi 15S Proレビュー
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Snapdragon 8 Elite for Galaxyを採用するGalaxy S25 Ultraの結果と比較してもその差は思った以上にわずかな差だ

 これだけ高い性能を有しているのなら、スマートフォン向けのアプリの動作はどうだろうか。人気ゲーム「原神」を最高画質で動作させてみたところ、Snapdragon 8 Eliteを搭載した端末と同じレベルの操作感で遊べた。

 他のゲームでも幾つか遊んでみたが、GPU周りはDimensity 9400と同じコアを採用していることもあって、大きな描写の破綻や動作不良はなかった。日本向けのコンテンツも問題なく楽しむことができ、高い性能をしっかり発揮できている。

Xiaomi 15S Proレビュー
高い性能を持ち合わせるため、高負荷なゲームも快適に楽しむことができる

 カメラも同社のライカ共同開発機らしくキレイに撮影できる。Xiaomi 15S ProのカメラはおおむねXiaomi 15と同等の仕様だが、望遠カメラが光学5倍ズームに対応しており、Xiaomi 15は2.6倍ズームよりも高いスペックを持つ。本体サイズやカメラ構成はiPhone 16 Pro Maxを意識しているが、望遠カメラは最短撮影距離30cmのテレマクロ撮影に対応するなど、カメラハードウェアではリードしている部分もある。一方で、Xiaomi 15やXiaomi 15 Ultraで好評を得ている最短撮影距離が10cmまで寄れるテレマクロ撮影には対応しない。

 また、XRING O1は独自のISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)を採用しているが、自社設計のため、うまくチューニングできているように感じる。

Xiaomi 15S Proレビュー
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写真もキレイに撮影できる。独自プロセッサのチューニングはSnapdragon 8 Eliteを採用するXiaomi 15と比較して彩度がやや高く明るめな印象だ

 電池持ちはゲームをプレイした限り、比較的長持ちする印象だった。一方で5G通信をすると電池消費が早かったので、後述する「モデムが外付け」の仕様が影響しているものと考える。正直なところ、Xiaomi 15S Proは6100mAhの大容量のバッテリーを備えることもあり、並みの機種と比較しても電池持ちはいい。

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