メルカリが「Switch 2」の出品を禁止しない“本当の理由”は? 理念か利益か、LINEヤフーは早期決断(1/2 ページ)
Switch 2転売を巡る混乱が続く。メルカリは「自由な市場」という理念を掲げて出品を認め続けるが、ユーザーの怒りは収まらない。一方、LINEヤフーは利益を犠牲にして早々に禁止を決断した。
メルカリに批判の矢が飛び続けている。禁止すべきだった「Nintendo Switch 2」の転売を、いまだに制限していないからだ。SNSでは「遅すぎる」との声が相次ぎ、プラットフォームの対応を疑問視する投稿が目立つ。
メルカリが重視しているのは「誰でも自由にモノを売り買いできる場所でありたい」という理念だ。同社は外部有識者の意見を取り入れることもあるが、最終的な判断では「マーケットプレースの基本原則」を優先しているという。
しかし、この説明では利用者の不満を鎮めることはできなかった。Switch 2転売の可否を巡る議論において、「自由な市場」という言葉は便利な盾となるが、転売による混乱を防ぐ具体策にはならない。メルカリの理念はSwitch 2に限らず、あらゆる取引に共通して適用されるものであり、問題の根本的な解決にはつながらないのだ。
メルカリの主張はこうだ。Switch 2自体は違法品ではないため、「自由な市場」の理念に基づけば、出品を一方的に禁止する判断には至らなかった。だが、この方針こそが批判の的になった。定価を無視した高額出品に加え、詐欺まがいの出品やコメント欄での誹謗中傷が横行し、取引の秩序は大きく崩れた。これでは「誰もが安心して使えるメルカリ」とは到底言いがたい。
同社のヘルプセンターでは「禁止されている出品物や行為を確認した場合は通報機能を利用してほしい」と案内している。通報内容は事務局で確認され、削除や利用制限などの措置が取られる。だが、この個別対応ではとても追いつかない。Switch 2転売を巡る混乱は拡大し、ついにメルカリ自身も反省のコメントを出す事態となった。
外部専門家を交えた議論の末、「多くのユーザーが不安を感じる状況は、メルカリが目指す安心・安全な場所とはいえない」と結論づけ、「Switch 2は発売時点で出品を禁止すべきだった」という苦渋の判断に至ったという。ただ、10月9日に行われた記者会見では、禁止の具体的な時期や方針は示されず、現時点で出品禁止の予定はないと説明した。
メルカリはSwitch 2の転売対応について、「状況は変わり得る」としつつ、現時点で出品禁止の予定はないと説明した。高額出品への価格規制も予定しておらず、価格が急騰している場合は商品ページや検索結果にアラートを表示して注意を促すなどの対策を行っているという。続きはITmedia Mobileの詳報にて解説している
メルカリがSwitch 2の出品を禁止しない「本当の理由」とは?
では、ここまで批判が高まってもなお、なぜ禁止に踏み切らないのか。SNS上では「結局はメルカリが“もうけたいだけ”ではないか」との声が広がる。メルカリでは出品時に手数料はかからないが、取引が成立した際に販売価格の10%が販売手数料として徴収される仕組みだ。つまり、転売価格が高騰するほど、同社が得る手数料収入も増える構造になっている。
メルカリで続くSwitch 2転売を巡っては、「利益を優先せずに違法出品や高額転売を禁止すべきだ」という指摘が相次いでいる。実際、箱だけを出品したり、Switch 2の作文を販売したりといった悪質な例も見られた。仮にこうした取引が成立すれば、販売手数料はメルカリに入る。結果的に、消費者が損をし、高額転売主とプラットフォームが得をする構図が生まれているのだ。
「通報すればいい」との端的な考え方もできるが、実際は空箱出品や高額出品が後を絶たず、長期間放置されるケースもある。数が多いほど監視は追いつかず、まさにイタチごっこの状態だ。
メルカリにおける商品の出品自体は無料だが、その商品が購入され取引が完了した際に、販売価格の10%が販売手数料として差し引かれる仕組みだ。なお、この差し引かれる手数料の具体的な金額については、出品時の商品画面で事前に確認することが可能だ(出典:メルカリのヘルプセンター)
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